紹介してもらった子は
同じ高校の子で
オシャレ大好きな子だった
私が別れたときいて
連絡をくれたようだった

とても優しくて
毎日気を遣ってくれて
失恋の悲しみを
紛らわせてくれた



でもタイプではなかった

私にとっては
友達以上と思えずにいた


しばらく連絡をとっていたが相手の気持ちが重くなるので連絡を辞めたい
といった

納得してくれた

誰も連絡をとる人が
いないと寂しくなって
ついつい元カレに
元気?
とメールしてみた



数分後返事が来た

私は思わず電話をした

久しぶりにきく
元カレは友達のように
話してきた


寂しいけどこれが現実

話はペアリンの話になった


私は指輪を外して
財布にいれてる事を
元カレにはいわなかった

十分思い女だが思い女と思われたくなかったから


すると元カレは
俺はネックレスにしてるよといった

私に優しい嘘をついてる
と思った



しばらくして
廊下ですれ違った
元カレのシャツのボタンが外れていてネックレスが
見えた

元カレは私に気づいて
横目で私をみながら
ネックレスを一瞬だけ
出して見せて笑った



指輪まだ大切に
してくれてると思って
私は涙目になった


でもネックレスをみたのはその日だけで
それ以降はしていなかった

元カレは携帯番号を変え
連絡を拒否するようになった




私はついにこのときがきたかと思った

悲しくて友達に相談した

友達の彼氏が
なぜ連絡しないのか
聞いてくれたが
別れたから
と言ってたみたいで
その理由は当然のことだと思った


今までは好き
の一言で明日も前向きに
なれていたけど
全く前が見えなくなった



友達の彼氏から
元カレの近状を聞いては
どこか安心していた

夏が近いてきた頃
元カレは学校を休みがち
になり学校にきたかと
思えばいらいらした様子
で時々物に当たっていた


付き合ってた頃の
感じとはまるで違った


友達の彼氏から
元カレのお父さんが
入院したときいた

私にはもうどうすることも出来なかった


高校最後の夏は
進学を決める大切な時期で私は将来何になりたいか
考えた

考えれば考える程
元カレのお父さんを
何とか助けてあげたい
と思うようになった


私は看護師を目指した

助けるといっても
無理な事は分かってるけどもし看護が出来るなら
それが私に出来る事と思った


元カレとは連絡が
取れずにいたので
看護師目指して
猛勉強をした

入学時の成績は
かなり悪く
猛勉強のお陰で
卒業時には成績が
かなり上がった

人生で一番勉強をした

そのお陰で
看護学校合格通知がきた


元カレの将来はまだ
決まっていなかった


卒業の日
元カレと一度も目が
あうことはなかった


相変わらずモテていて
クラスの女子から
写真をねだられていた

そのまま高校卒業した
彼氏は私の前では
明るく振る舞おうと
頑張っていた

でも私は彼氏のお父さんが気になって仕方がなかった
病状をきいては私は暗い気持ちになって彼氏はそれをみて悲しませてはいけないと強く思うようになった



夜に電話がきた

毎日暗くてごめん
デート楽しくさせてあげたいのに俺の家の事ばっかり聞いてもらって
と申し訳なさそうに言われた

私はううん仕方ないよ
といった


そして彼氏から
毎日悲しませてばかりで
幸せに出来る自信がない
これから先は幸せに生きてほしいから別れよう
といわれた

突然の別れに驚いたけど
大変な時に私がしつこく
彼氏に縋るのは良くない事かもしれないし距離を置いてみる事にした


電話では冷静に
解った 友達でいよう
といったけど涙が溢れた

一緒に支えてあげたかったのにそれが出来なくなった
同情すれば相手が楽になると思っていたけど逆だった



腫れた目を冷やして
何事もなかったかの様に
学校にいった

その日は文化祭だった

大好きな彼氏と文化祭
見たかったな
と思ったけど気持ちを
押し殺しながら
教室に入った


友達が半泣きになりながら大丈夫?と心配してくれた
友達の彼氏も理由を聞かされてなかったみたいでただ別れた話だけをされたそう


彼氏の父親のことは
誰にも言わない様に言われていたので詳しい理由は友達にも言えなかった

意見の食い違いかな?
というかんじで別れた事を話した

でも友達になったことを告げると少し安心したようすだった




彼氏とは正式に友達として接する様になった

でも私の思いは変わらず
連絡がくるたび
戻りたいと思った

彼も家のことがなければ
幸せにつきあっていけるのにといっていた



そう言われると未来に希望があるのかなと勘違いしてますます胸が苦しくなる

私は一度でいいからあって話しがしたいといった


翌日の放課後時間をあけてくれた

久しぶりに顔をみあわせお互い照れた感じだった

校内で話してたから
周りの子達がニヤニヤして帰宅していった



私達はたからみたら
付き合ってる様に思うんかな~
友達ってこと噂流れてないんやろうな
と寂しそうにいった

彼は友達か~友達やんな~と言った


なんかきまづい時間がながれた

私は彼のお父さんについて聞いたけどやっぱり悲しませたくないということで教えてくれなかった



予想はしてた

もう望みはないかもしれないと思って戻りたいとは言えなかった

日も沈んできて
帰ることになった


結局たわいもない普通の会話をしただけだった

吹奏楽部の演奏が鳴り響く校内の階段を二人でゆっくり降りた

二人で校内を歩くのはもうないかもしれないと思うと一歩一歩が大切な時間だった


彼は自転車で帰宅するけど私は電車だったので駅まで送るといってくれた


駅の方向と彼の自宅の道は少し違った

遠回りして送ってくれる優しさがまた私を好きにさせてしまう

これ以上は好きにさせてほしくなくてもうここでいいといった



ヨリを戻す事が出来なかった時に渡そうと思って書いたありがとうの手紙を渡した
そして今までありがとう
楽しかったと笑顔で告げた


彼は本当にびっくりしていて手紙を見つめていた

私はもう少しだけこの場に居たいと思ったけどいるときりがないのでさようならといって駅にむかった

いつもは振り返って彼が無事にその場を去ったか確認してから帰っていたけど
振り返ればもう前を向けないと思って半泣きになりながら駅に向かって足早に歩いた



駅について電車を待つ時間がいつも以上に長く感じた
今すぐ泣きたいけど人前なだけあって我慢した


駅に地元の同級生がいて
声をかけてきた

さっき彼氏とデートやった?ラブラブ?
とニヤニヤしながら聞かれた


噂を聞いてないのか知らない様子だった

ついさっきまで笑顔で二人で話してる姿をみたから付き合ってると思うに決まってるかと思った

さっき別れたと苦笑いをしてあまり知らないこに慰めてもらった


その子もバッドタイミングだったに違いない



帰宅して我慢してた糸がきれて涙が溢れ出た

初めてこんなに辛い失恋をした

今までは諦めてすぐに前に進む気持ちになれてたのに今回ばかりは全くそんな気持ちにはなれなかった


お母さんに話を聞いてもらってお父さんにも話をした
その日は家族で話し合いをした

話し合いをしても何も変わることはないけど気持ちが少し楽になった



その時彼から電話がきた

やっぱり別れるのは嫌
といわれた
手紙を読んだみたいだった

でも今は家の事があるからすぐに付き合えないので
二十歳になってお互いにまだ思ってたらヨリ戻そう
といわれた


それまでに働いて頑張ると彼がいった


二十歳まであと四年
長い様でも未来があるのなら希望がもてた

もう泣かないと誓った

貰った指輪は別れても捨てる気にならず左手につけておきたかったけど彼の立場を考えて右手につけた

右手につけた指輪はファッションリングとして友達にいうようにした


しばらくしてから
彼と廊下ですれ違った

ふとみると指輪はしてなくて別れた二人にとっては当たり前のことだけれど悲しくなった

本当に別れたんだと
実感した

でも友達として
会話はしてくれていた


私は彼に友達でもお父さんに何かあればすぐに駆け付けるからなんでもするからと伝えた


ありがとうと言われた

次第に友達としての接し方と恋人としての接し方の区別をどうしていいのか悩む様にお互いなった


校内で二人でいるのはやめようとなり段々距離が離れていく気がした



私は窓から外をみるたびに彼を探していた

友達と話す先に彼が居ないか無意識に探していた

下校途中彼が自転車で帰宅するところを目撃した

あの自転車で二人乗りをして色んな所にデートしたなと思いながら彼を見つめていた

彼と目があったけど
彼は私に気づいてないのか去ってしまった



出会った頃は
私が気づかず彼がいつも私をみつけて気づいてくれていたのに今は違った

私の予定では二人で過ごすはずだったクリスマス前の出来事だった


その頃には連絡をしずらくなり距離を置きはじめた

私はそろそろ諦めようと
紹介をうけた
電車の中で彼氏が
父親は病気で助からない
かもしれないということだった

病名はB型肝炎

彼氏は長男で幼い兄弟がいて自分が支えないといけないと思ってるみたいだった

私はそんな彼氏の話に
泣いてしまった

今思うと同情が一番嫌なことかもしれないのに



彼氏は今日はこんな話したけど明日からは暗い話しないようにすると言った

私を悲しませたらいけないと思ったみたいだった

次の日からは
何事もなかったかのように校内でも明るく振る舞っていた


あの日からは一切父親の話はしなくなった

いつもの様にデートをしていた

父親の件は誰にも心配されたくないためか友達にさえ秘密にしていた


家計を少しでも支えたいと思ったのか彼氏は昼食のお弁当を持ってこなくなった
食べ盛りの高校生が昼食を摂らずに空腹を我慢しているのを見られたくない為か昼食時は教室外にいつもいてた


私はそれをしって
お弁当を作って渡したら
とても喜んでくれた

でも休憩時間は彼氏といる分昼休憩は友達との交流を優先するように言われた


次第にデートの外食も厳しくなっていった

彼氏はお金がないということは男にとって情けないことだといいバイトをする
ときめた

私はデートでも話ができるだけで十分だったからバイトはしなくていいといった

でも彼氏は夏休みを利用してプール監視員のバイトを始めた

バイト代が手に入り
彼氏は私をお店につれていってくれた

買ってあげたかったものがあるといい見たお店でペアリングを買ってくれた


始めてのペアリングで
嬉しかった
早速ペアリングをつけて
デートをした


帰宅してから
メールがきてて見たら
BE LOVEDの人やで
てかいてあった

意味を教えてというと
調べてみてと笑われた


大切な人みたいな意味だった

夏が過ぎて
二学期が始まった

彼氏がふと父親について話し出した

浮気してるかもしれない
ということだった

家族を裏切って浮気をする父親を許せないけど病気が気になる上自分の立場のプレッシャーに押し潰されそうになってる様子だった



人生でそんな経験がない高校生の私はすぐにアドバイス出来る訳でもなくただただ話しを聞くだけしか出来なかった

放課後教室に残って
話しを聞いて時間になれば帰る日々が続いた


彼氏の家に行った時に
編み戸に丸く焼けた後があった

これなに?ときくと父親がタバコを押し付けると笑いながら言った

病気のくせにタバコを辞めないと怒っていた

父親を憎んでるかと思っていたけど父親の事を話す顔は笑いながらだった



部屋でも彼氏はどこか暗い表情をしていた

私は寄り添ってキスをした
なぜか居なくなるような気がして離したくないと思った

1時間くらいたくさんキスをした

送るよといわれ家をでると彼氏の父親がいた

父親は思ったより元気で私の姿をみてヒューヒュー
と冷やかしてきた


彼氏は恥ずかしそうに
もういいからといった

私の家は駅から遠くて
いつも自転車で二人乗りをして家近くまで送ってくれる

自転車は私のもので
家から駅まで彼氏は
歩いて帰ってた

家の途中にあるガレージが別れの場所になっていて
そこでリプトンの紅茶の飲みさしをくれた

リプトンはうまい
といって意気投合してたから


リプトンを飲みながら二人で夕日をみて別れた

数日後
私は中学生からの男友達がいることに嫉妬され連絡を絶つ様言われた

お互いの事をつなぎ止めたい気持ちを伝えたが私と意見が食い違い男友達は有り得ないといわれた

彼氏と連絡がとれなくなり探していると駅のホームで彼氏をみつけた

声をかけても無視をされた

仕方ないので男友達に事情を説明し連絡をやめた

次第に彼氏が連絡をしてくれるようになった

でもその時には
父親の病状は悪化し
腹水がある状態になっていた


彼氏は部屋に閉じこもり
ベッドとCDプレーヤーしかない部屋でぼーっと過ごす時間が増えていった


交流が殆どなく
父親についてはなさなかったのに話す機会が増えて
精神的に落ち込んでいくのがわかった



つづく