社のたなの奥から、くるくる巻かれた帳面カバーが出てきた。
去年、町の人がくれたものだよ。
「いい日におろしなね」って言われて、大事にしまっておいたんだ。
そうしたら。
一年、たってた。
いい日をまってたら、夏がおわりそうだった
コヨミ、「はじめる日」にはくわしいはずなのにね。
くわしすぎて、かえっておろせなかった。
一粒万倍日がいいかな、己巳の日まで待とうかな、なんて考えてるうちに、去年の夏がおわって、また夏がきちゃった。
新しいものを大事にする気もちは、まちがってない。
でも、しまいこんで出番をなくしたら、ちょっとさみしいよね。
だから、今朝ひらいた
あさっては8月23日、己巳の日。
お金の道具をおろす人が多い、縁起のいい日って、先代の帳面に書いてある。
でもコヨミの帳面カバーは、べつにその日をまたなくてもよかった。
「よし」って思った今朝が、コヨミにとってのはじめどきだったんだ。
巻きぐせのついたカバーを、てのひらでゆっくりのばして、帳面にかけた。
すこし、しっくりこない。
でも、使っていくうちに、コヨミのかたちになじんでいくんだと思う。
きみの家にも、「いい日に」ってしまったまま、出番をまってるものはない?
大きな日じゃなくていいよ。えらんだ朝が、はじめどき🌾