聡子がライバル
聡子さんの退勤時間は8時頃だったと思うが、結局9
時過ぎまで仕事をしていて、僕の状態を日勤の看護婦
さんに引き継いだようだ。
その日勤の看護婦Kさんは艶っぽいお姉さんタイプで
この日は長い髪を束ねないでやおら僕に近づいて来て
血圧を測り、
「あれ~っ。今朝の血圧高いのはどうしたのかなぁ」
って僕がいけない事をしていたのを見抜いていたかの
ような叱責だ。 それとも聡子さんがそう言ったのか。
僕が圧倒されてモジモジしていると唐突に、
「はは~ん。好きな看護婦いるんでしょ」
「言いなさいよ」
「誰にも言わないから」
僕は 「え、Mさん」 って聡子さんの苗字を小さい声で
絞り出すように言うとKさん大きい声で、
「え~っ、聡子が好きななの~!」
「聡子が好きだから血圧上がったんでしょ!」
って部屋中に聞こえる大きな声で言って僕が真っ赤に
顔を紅潮させているのを見てベッドに腰を下ろして自分
のお尻をグリグリと僕の太ももに押し付け僕のパジャマ
の胸を開いて触診したり、聴診器を胸に当てて僕の様
子を診て長い髪を僕になびかせながら、
『ふんっ。聡子なんて!』
とKさん言わんばかりの態度だ。
そして僕の太ももに手を置いてなでなでしながら、し
まいにはももの内側をさすっては、
「あたしの方がいいでしょ」 ってキリッとした目で僕を
見つめて責めるのだった。 僕はうつむいて答えない
でいるとその言葉を繰り返したが、僕の聡子さんの想
いが変わらないと思ったのか、
「聡子に計ってもらって」
と言い残して部屋を出て行ってしまったのだった。
それまでKさんと接することは少なかったのに急に
聡子さんにライバル心を出すのは何でだろう。
【女心は複雑だなぁ】 と妙に関心してしまうのだった。
つづく