福島で暮らしていく限界と可能性 | あぶぐまの里にっき

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阿武隈の地に移り、昔ながらの農とくらし、技の継承を目指していたが、原発事故で自然・社会環境、自分の心も全てが変貌。

いつも放射能問題で頭がいっぱいです。自分の中では、現在住んでいる福島県石川町で暮らしていくかどうか頭の整理をしました。あくまでも私の解釈です。このブログでの重複も多いですが、心の整理のために…

・そこにいる分には放射能(空中放射線量)は、健康にはほぼ影響なし。

・食べ物は周辺の田畑の野菜は大丈夫なものがほとんどだが、土地の汚染ムラや作物の種類による差、田畑への投入物の汚染の有無など注意点が多く、恒久的に監視し続けないといけない。うちのじゅうねんは測定値が300ベクレル/kg近くあったが原因は不明。

・野生キノコなど、もはや食べられないものもある。薪を利用したり、落ち葉で堆肥をつくったり、基本的な循環型の昔ながらのくらしができない。

・身の回りの田畑の収穫物以外でも、近所付き合いや市販されているものから放射能を取り込む量は汚染の少ない他県と比べて大きい。

・農産物を食べてもらうという点では、「食べてもらいたい」と思えるものを手がけていけるか? 買う側が選んでくれるか? という問題がある。安全なものを食べてもらうという責任もある。

・食品の放射能測定の設備が急速に普及しているので、福島県内でも徹底して検査したものを食べて流通させれば、食品からの被ばくは最小限に抑えられる。

・原発からの放射能の放出が今後どうなるのかわからない状況下、60kmに住むという緊張感。原発の今後の状況には、安全、危険、いろんな説が推測されているが、危険な説の存在は大きな不安。

・放射能自体が人体に影響のない程度であっても、私にとっては以上のようなことを気にし続けるストレスによる病気の可能性のほうが高いかもしれません。そろそろ限界を感じています。
 一方、日本国内どこに住んでも、これだけ物流が進んだ現代においては、放射能のリスクはある程度の心構えが必要と思います。電磁波や食品添加物、農薬、医薬品など身の回りのさまざまなリスクは放射能に比べてあまり語られていませんが、これらも日頃から注意なわけで、精神的にも強くならなければいけないですね。それと、現代を生きていくには、求めてきた「昔ながらの暮らし」のありかた自体も変わらないといけないかも知れませんね。