さて今回は8月25日に配信が開始されたWiiウェア用ソフト「ディシプリン*帝国の誕生」の感想とかレビューとか。公式サイトはこちら (音量注意)。
この内容をよく配信できたなーと。
ちなみに画像はカルト教団関係者な設定のキャラのセリフ。スレイヤーズのドラマCDが自重したネタをWiiウェアソフトで見ることになろうとは(*1)。
★
何はなくとも、このゲームについての感想は記事のタイトルに集約されている感じです。もちろん、「最も気持ち悪いゲーム」の後ろに(褒め言葉)と付くのですが。
ゲーム内容は
病気の妹の手術代を稼ぐために謎の収容施設『ディシプリン』の被験者になった主人公が、施設に収容された他の被験者と会話したり棒状のモノをいじったり(*2)液を飛ばしたり(*3)しながら『ディシプリン』の謎に迫っていくという感じの物語。
ゲームの流れは
他の収容者と会話をしながらストーリーを進めていき、同時に収容者の欲求(右下のゲージ)を見て、対応する牢屋内のギミックを動かして欲求を叶えて好感度(的なもの)を上げていく。
この作業が最もゲーム性の高い部分で、牢屋の前をうろつくガス子先輩みたいな看守の目を盗みつつ、Bボタン長押しでyouコンという装置(左下)に液(ゲージ)を溜める(もし看守に見つかるとペナルティがある)。
一定以上に液が溜まると主観視点で発射モード。スイミン=ベッド、ハイセツ=トイレという具合で欲求に対応するギミックに液を放ち発動させる。
すると収容者の欲求は満たされ、同時に主人公への好感度も上がり、一石二鳥という寸法なのです。
あとは愉快(とは到底思えない)な会話を楽しみつつ、牢獄生活をエンジョイしながら個性的(すぎる)収容者たちと様々な出会いと別れをくり返していくことになります。
また好感度がMAXになり、主人公に対する心の壁が壊れた被験者からはその人物の過去や犯した罪が垣間見れる「心の結晶」が手に入り、牢屋の窓に時々現れる「鳥」に液を放つことで、その物語を読むことが出来ます。
感想
とても気持ちが悪いゲームです(褒め言葉)。
面白いかつまらないかと言うと、和尚様の目を盗んでお供え物の団子を食う(*4)かのような毒島さんチックな看守との駆け引きのシンプルなゲーム性の面白さや、個性的かつ不謹慎な登場キャラクターの過去や秘密見たさについつい続きが気になってしまうシナリオの妙にやられて、間違いなく面白い作品だと思うのですが、とにかく全体的に気持ちが悪い。
このゲームは公式サイトにて開発者の身近にいる人間にプレイしてもらい、率直な感想を聞くというドキュメンタリー映像 があるのですが、その感想が「見ているだけでひろう感を覚える」、「わかりづらい」、「良いとは思わない」、「物好きな人の興味の引く程度」とケチョンケチョンな評価で、自分はプレイ前は内輪ネタ的なネガティブ演出程度にしか思わなかったのですが、プレイした後には「これはガチな感想なんじゃないか」と心から思います。
もう、とにかく率直な感想として気持ちが悪い(褒め言葉)。
発売中止になった弁当作成ゲーム(*5)を思わせる絵柄は個人的にツボで嫌いじゃないのですが、とにかくゲーム内容が精神的に気持ちが悪い。
例えば牢屋内の地面を動き回る数十の小さい虫が生理的に気持ちが悪い。しかもそれを踏むとリモコンが振動するこだわり方が気持ち悪い。
例えば閉鎖された空間で奇妙な人物の支離滅裂な会話を延々と聞きつつ、時に看守に怒られた際のペナルティのマッサージゲームを幾度も繰り返す作業感と不快感。そして物語が先に進むことで得られる快感と不快感の反復がひたすらに気持ちが悪い。
意味不明のカオスな会話の中に散りばめられていた伏線が論理的な物語に結びつく快感と「生きた肉」や「境界線」という暗喩の答えが分かった時のどうしようもない不快感が気持ち悪い。
生理的な気持ち悪さじゃ巨大な昆虫と戦う「ネクロネシア」(*6)も相当に気持ちが悪かったのですが、こちらはさらにキャラクターやストーリーが精神的に気持ち悪い分、気持ち悪さはかなり上です。
何しろ一番最初に出会うことになる収容者のモデルが実在する猟奇犯罪者であり、その他のキャラも大半は世間を騒がした大事件や犯罪者のオマージュというコンセプトが非常に不謹慎で気持ちが悪い。
このゲームに対する気持ち悪さは、家族向けなゲームが多いWiiで出ているから感じる、というわけではなく、例えばPS3や360で配信されても、あるいはPCのフリーゲームや同人ゲームだったとしても、自分はこのゲームをプレイしたら「気持ちが悪い」と率直に感じると思います。
決してつまらなくはない。むしろ面白い。けれどあまり人にはオススメできない。
ただ純粋に、このゲームが持つ独特の雰囲気や演出は気持ちが悪いのです。
「ブラックジョーク」や「猟奇犯罪」、「不謹慎ネタ」という単語にピンと来る方には800円を出す価値は十分にある作品だと思うし、シンプルなゲーム性に深いストーリーで惹きつけるというこのゲームの作風は個人的に大好きなんだけど、何はなくとも率直な感想として「気持ちが悪い」ゲームです。
結局のところ、記事を書き始めて2時間半かかって辿り着いた結論は「(面白いけど)万人にはオススメできない作品」という、いつも通りの非常に無難なコメントで〆て終了です。
何はなくとも、非常にアクが強い作品なので購入はあくまで自己責任で。
それでは。
今日の補足
*1
かつてスレイヤーズのドラマCDで「修行するぞ」を連呼するネタがあったのだけど、自主規制でボツとなりブックレット記載の台本でのみ確認できるネタとなった。
*2、*3
嘘はついていない。
*4
「ジャン・ケン・ポン!ズコー!」に並んで(俺の中では)メジャーなアーケードゲーム。
*5
「あの素晴らしい弁当を2度3度」。PS版は発売中止になったけれどPC版のページ
は残っているようです。あと改めて見るとそんなに似ていない。
*6
Wiiの本体と同時に発売されたロンチタイトルの一つ。巨大な昆虫が大量に生息する島でのサバイバルアクションかと思ったら後半はタイムループ物のSFになったでござる、という3Dアクションゲーム。こちらは普通に気持ち悪いので虫好き以外にはオススメしません。
今日の余談
DLソフトであるWiiウェアにとってパッケージ絵とも言えるWiiチャンネルの表示絵を実写映像にするという悪ふざけは大好きだ。あと画像にある他のチャンネルに対するツッコミは禁止。





