Roon実線編です。
今回は、音楽資産のタギングについて検証考察してゆきます。
https://ameblo.jp/absolute233/entry-12883967572.html
皆さんも、NASの中には膨大な過去の資産が眠っているはず。
当然ながら、それらライブラリの資産運用つまり「お引っ越し」には苦労します。
お引越に例えて言うならば、新居に過去資産のなにもかもを持っていけるわけではない。なかには形を変えないと持って行けないものも出てきます。今日はそんなお話。
旧居はApple、新居はRoonということになります。実態ファイルの大多数はALACです。実態ファイルの「物理移動」は行いませんよ。主にメタタグの移行です。
そして、タギングの中身に移る前に、Roon上の少しクセのある検索機能について触れておきます。これを触ることでタグの移植が全部は巧く行っていない事も鮮明になりますので。
Roonの検索とフィルタ
RoonにはUI上に2つの虫眼鏡🔍️が現れます。
ひとつは最上段のヘッダ部分。もうひとつが、カテゴリ別に現れる中段の虫眼鏡です。しかし、中段のものは「フィルタ」と題されているので、検索ではなくてフィルター抽出機能と観るべきです。
上段は「検索」中段は「フィルタ」とでも呼び分けましょうか。
例えば、ここではサブタイトルが「マイアーティスト」となっています。このとき自身がローカルに所有しているマイライブラリのなかで、さらにアーティスト名に対してだけ、「フィルタ」が掛かると見れば良いです。
ただし、ここも必ずしも思ったようには検索が出来ないのです。それはタグのリレーが巧く行っていない事と、Roonそのものの仕様に関係があります。それをこれから説明します。
上部の「検索」は全体に対し
この画面上部の「検索」は、マイライブラリ、ストリーミング配信、などのリソースに垣根を持たず、聴ける音楽全域に対して検索されます。
悪いパターン:私にとっての不都合を例に説明していきましょう。
私は MYTH & ROIDのSTYX HELIXという曲を持っているはずです。
ヘッダ部分に MYTH &と入力すれば、候補が現れます。
そして、
アーティストのページは現れるのですよ。
ところが、私の所有している曲は「マイライブラリ」に出てこないのです。
そして、現在契約されているqobuzの参加曲だけが表示されています。
ここから判ることは、以下の2つ
・QobuzにはMYTH & ROIDはろくすっぽラインナップされていない
・マイライブラリにあるはずの曲がなぜ引っかからないのだろう?
前者からはラインナップが少なくてあまり課金価値がないことが判りますし、後者からはどうやらタグ付けが有効に働いていないことが判ります。
少し触ってみて判ったことは、Roonは:
- アルバムアーティストの”アーティスト”なら検索できるが、
- コンピレーション等における曲毎のアーティスト(演奏者と呼ばれます)は検索できない。
これは下部”フィルター”も同様でした。引っかからないのです。
ちなみにこれは、Roonの仕様です。タグ移行の不具合とかではなく。
下部「フィルター」は対象カテゴリに対してだけ
前述のとおり、
@上部「検索」は所有如何に関わらず、聴ける音楽全体に対して、
@中段「フィルタ」は、現在ターゲットになっているカテゴリに対して、
機能する検索だと判りました。カテゴリとは例えば、アーティスト、アルバム名、作曲家・・・などです。
「マイアーティスト」の「フィルタ」でも MYTH & ROIDはフィルタ出来ません。どういうこと?それは、アルバムアーティスト名ではないからです。
さて、気を取り直して MYTH & ROIDの回避方法ですが。
まず左側ペインで「マイトラック」を指定して、表示させます。
これは、マイライブラリ=所有しているなかの曲の一覧 という意味です。
次に[アルバムアーティスト]ではなく、曲別の[アーティスト]をリスト表示上で有効にしておきます。
そして、その「アーティスト」の右隣に現れた虫眼鏡をタップして、「MYTH」と入力します。
すると、MYTH & ROIDの曲をズラリとリストに現れました。
つまりどういうことかといえば、
- ポピュラー系の、 album artist名 - album名 という一般的な配列タグのタグ検索は得意だが、
- バラ曲の検索は若干厄介だし、見つからない事がある。ということです。
アルバムを探してみる
同様に、今度は「持ってるアルバム」を探してみます。
RushのHemispheresです。
まずRoon左側ペインで「マイアルバム」を先に選択し、
ついで中段の「フィルタ」にHemispと入力した辺りで、既に絞り込まれています。
ヨカッタ。単純なポピュラー系(ジャズ、サントラ、ロック等)は大丈夫そうです。
Classic系はやっぱり厄介で、検索やフィルターで探しにくいです。というのも、元の「アルバムアーティスト名」として、,で区切って複数のアーティストが並んでいる場合、検索で掛けられません。部分一致ではダメで、完全一致でないと拾われないということなんです。
NG例
私は Lorin Maazel, NYP とタグ付けしていた。Roonで「Lorin Maazel」を検索する上記1のアルバムは検索できない
訂正。徐々に検索に掛かるようになりました。
どうやらバックエンドでのタグの再整理に数日間掛かっているみたいです。いまだに進行中。。。
アルバムのタグとRoonタグの整合の仕方
Roonのタギングから外れてしまったものを、Roon側の情報に合わせるやり方です。Roonの方が情報量豊富なので何かと都合がいいんです。
ただし、結構面倒くさいので、やりませんね。ライブラリが数百枚しか無い方なら、今からでもやるべきでしょう。
これはRoon上の「Rush」のアルバム一覧です。
左下に小さなアイコンが並んでいます。
私がマイライブラリに所有しているものが本のアイコン。Qobuzに在るものがQobuzのアイコン。両方にあるものは両方のアイコンが表示されています。
本のアイコンのみしか表示されていない原因は以下の2つです。
A. Roonのタグライブラリで照合できるものが見つからなかった
B. 純粋に、Qobuzのライブラリに登録されてないアルバムだった
こんなメジャーなアルバムが、Qobuzに無いわけないだろ、だからAだろうと疑うわけですね。そこで、Roonのタグとこれから照合を試みます。
アルバム右側にある ... ドットメニューから「編集」を選びます。
「アルバムを識別する」を選びます。
すると、Roonで可能性の高い情報の一覧が表示されます。
アラマー。他に選択肢がないわ。
ということは、今のタグで合ってるのね。
・・・とまあ、こんな風に、「Roonが自動検索してくれた可能性の高いタグ」と照合して、手動で一致させるわけです。カンタンに一致する位ならば、そもそもRoonが自動で先にやっちゃってます。なので、大概巧く行かないと思っていた方が良いでしょう。
DBに無いようなドマイナーなアーティストやアルバムだと、DBに無いのだから照合のしようがありません。
今回のこのRushの場合は、「B. Qobuzに曲が無いじゃないか!」というオチでした。
こんな風にして、QobuzってプアだなーということもRoon経由で徐々に明らかになっていくわけです。
今後、あまりにも気になったタグの不整合は手動修正する計画ですが、なにしろ曲数が膨大ですから、全部やることは無いでしょう。使い勝手上やむないモノのみ修正します。
付帯情報
これは、選択したアーティストについての解説を読んでいる事例です。この下に長大な解説が続いています。また、演者だけでなくアルバムエピソードや曲単位のエピソードが読める場合もあります。曲ごとの歌詞が表示できます。
これら情報のリソース、実はほとんどがWikipediaだったりします。ウィキペディアなら、自分で見に行けばいいだけじゃないか?そう思います?でも、曲を聴いているときにわざわざWikiなんか引きに行きますか? 曲を聴こうとしたら、たまたま知らなかったエピソードが目に触れてしまう。このユーザー体験が秀逸なんです。
なんなら、アナログ・レコード時代だって、ジャケットを見開かなければ読めない記述は意外に面倒で観ていないものです。Roonは自然に付帯情報が目に飛び込んでくることで一層音楽鑑賞体験が豊かになった印象があるんです。