微量ながら、能登半島地震の支援募金に送金処理をさせていただきました。被災された方には心よりお見舞い申しあげます。多くの亡くなられた方やご家族を亡くされた方々には、もはや言葉もありません。

 

 

先日、ハードオフでゲットしたジャンク品ー LS-11ES。

手の届く範囲では、キレイに清掃しましたよ。磨いてみれば、割と美品でした。

大傷なし。アルミフランジにサビもくすみもなし。全ダイアフラムにダメージなし。片chのみ、右後方隅に少しの打痕がありますが、見えないところだしほぼ目立ちません。というわけで、音が出ればコレは掘り出しモンです。

ドフ側が精密なチェックとか徹底清掃を怠っていてくれた方が、こうした隠れた良品が安価で手に入り有り難いです。

 

さて・・・まずは、DATS V3を繋いで、インピーダンス測定や動作チェックからやってみますか。

 

(スピーカー端子がバナナ対応じゃなくて古臭く繋ぎにくいよ~ん)

 

インピーダンス計測する際には、ラウドスピーカー(またはドライバ)をフリーエアに近い状態へ、持ち上げなければなりません。といっても、適当な台も無いので、先日買った(同じくゴミの)ONKYO D-072の上に載っけて誤魔化します(笑)。

 

あんれまぁ。

インピーダンスを計測するなか、たしかに片chおかしい事にすぐ気づきました。

 

 上差し Lchがわのインピーダンスが、6kHz周辺で1Ωを切っていたんです。上図は既に”落ち着いた後”の図ですから、2Ωは上回っていますが、それにしたって低すぎます。欧米高額ハイエンドスピーカーじゃあるまいし。で、たしかにそのときトゥイーターから出音がありませんでした。高域側がショートに近い?? 断線なのかしらん?と一瞬疑います。

まだパワーアンプには繋いでいませんから、大丈夫ですが、音出し前には徹底チェックが必要です。

 

このスピーカーシステムは背面に音質調整・・・まあトゥイーターのアッテネータだと思うんですが・・・があるのですが、そのツマミがノーマル位置に在りません。それでノーマル位置まで回してみると、インピーダンスカーヴが正常値に落ち着きはじめ、そして今ではトゥイーターからも音が出ています。

 

つまり・・・

アッテネーターボリュームの接触不良か短絡。またはそのツマミの向こう側に在るトゥイータークロスオーバーのなんらかの故障。。。等々が疑われます。NORMAL位置なら音も出るし、インピーダンスカーヴも正常なので、しばらくこのまま使ってみますが、最終的には分解して修理した方が良さそうですね。

 

ということで、このスピーカーシステムは断線故障していません。故障といっても軽微です。むしろ程度良好の部類に入る。やったね。グッ

 

正常な、R-chがわのインピーダンスカーヴです。

アッテネーターをくりくりしつこく回していたら、今ではL-chもこれに似たカーヴに落ち着きました。

・・・それにしても、6-8kHz付近で4Ωにまで低下する傾向は変わらないようです。ミッド-トゥイーター間のクロスオーバーで、極端に変化する要因があるのでしょうね。(この年代では補正回路ではないと思います)

 

カーヴから直読みするとバスレフのポートチューン周波数は54Hz。構成からはかなり高めです。つまりバスレフ音圧を効かせて低域を稼いでるタイプのシステムだと思われます。

 

ただ、サラウンドに手を触れてみると、かなり硬めです。クロスサラウンドの常識的な硬さからすると、動作に問題はないけれども硬化がそれなりに進んでいる印象があります。折をみて、軟化処理にも挑戦してみたいと思います。(意外かもしれませんが未経験です)

 

 

では次に周波数レスポンスを測っておきたいと思います。より正常であろうR-ch側を使います。

 

時間窓で床からの一次輻射をリジェクトするためには、床からできるだけ持ち上げた方が優位です。・・・といっても、そんなスタンドは持っていませんので、ONKYO D-072を二段重ね(笑)にして、その上に乗せます。

 

ウーファー近接場とポート近接場も測っておきます。やっぱり低域は50Hzどまりみたい。

 

300Hz以上がFarFieldの疑似無響。窓は10msecですが割と反射を除去できています。

それ以下の周波数はBlendedでの疑似無響です。

 

ひとこと変な形の特性です。150Hz以下の低域のレベルが低く、さらに50Hz未満は急降下というタイプ。とはいえ、これはウーファーサラウンド硬化の影響があるかも知れません。トゥイーター側も7kHzに緩いピークを作り、以降はだら下がりというタイプ。ダイヤモンドに準じるトゥイーターを載せました~という割にはそんなに伸びていませんね。公称値50kHz(笑)と有るから、20kHzを越えたあたりから盛り返すタイプかも知れません。

 

全体として、振幅のドタバタが目立つ特性となっていて、年代なりに乱れてる印象。この特性だけを見ていると、音もそんなに期待はできません。このクラスでわざわざミッドレンジを追加した構成ですから、中域を重視した音作りを想像しました。実際、この構成で7cm付近のミッドを足したコンセプトそのものは大いに共感できます。20cmのウーファーに一般的ドームトゥイーターではどう頑張っても無理がでます。

 

 

 

お待たせしました~(待ってないって) ようやく試聴。

 

自前のコンクリスピーカースタンドは、もっと小型用でLS-11にはさすがに不安定なので、ONKYOの上に載せて(笑)視聴です。本当はもうちょっと持ち上げた方がいいんですけどね。まあ低域が不足気味だから、2π輻射を狙ってこれでもいいでしょう。

 

 

・・・f特どおりの音。という印象です。

あまり”良い音”という印象は持てないですね~ ゴメンなさい。

これもサラウンドの軟化処理をすれば、少し化ける可能性はありますが。でも潜在的ポテンシャルを感じないんですね。限界がはっきりしている音質だと思います。世評が良かったのでそれなりに期待しましたが、たぶん相当な劣化もあるし。期待しすぎたかな。経年劣化したものへの感想という注釈つきでお読みください。

 

ペア56000円のスピーカーに対して、なにを言うとんの?

・・・という幻聴が聞こえます。そのとおりだと思います。

ただ、お父さん(ないしお母さん)が汗水たらして働いて、5万円も!5万円もですよ!投資して、それでこの音というのはやっぱり間違っていると思うのです。何十万円も~何百万円もぶっ込まないとマトモな音が聴けないというのは、やはり何処か歪んだ世界に思います。

 

 

音質です。

音質には癖や着色を感じます。「いかにも」オーディオの音、スピーカーからの音という感じ。低域はf特どおりで、少し寂しいです。低音「感」ならもちろんしっかり有りますが、ローエンドの沈み込みなどは感じられません。やっぱり50Hzどまりの音だし量もやや不足と思います。低域の透明感、スピード、分解能、隈取、音階、量感すべてに不満があります。これならむしろD-072の方がポテンシャルが有った?

何を聴いても、中低音にはゴウゴウという耳につくクセがあります。これは、バスレフポートからのノイズではないと思う。このポートサイズだとフルートノイズは3.4kHz内外とかなり高い周波数になるはず。よって単純に「箱鳴り」だと思います。箱の板が盛大に共振してるか、あるいは吸音処理が足りなくて内部の定在波がうなっているか。そんな感じの音です。

高域も、口径が小さくて素材が良いということで期待があったんですが、そんなでも? 味付け程度の使い方なのかな?

センモニのようなシャキシャキした明瞭さがあるわけでなし、ダイヤトーン的なシャープな切れ込み感もなく、AMTやAccutonのような高解像度もありません。

でもビックリしたのは中域なんですね。なんか・・・音色がイイ。エレキギターの音が特にイイ。特に相性の良かったのがJpopです。自前の日本のプレイリストを再生してると...さすがは日本のスピーカーということなのか。Jpopはともすると「やかましいわ!」と突っ込みたくなるくらい音が崩れた/荒々しいコンテンツが多いのですが、そんな粗は巧みにオブラートしつつ、しかしオイシイところだけはしっかり汲み取るという鳴らし方で、楽しく鑑賞できました。

 

オーディオ的ツッコミという事になるとなかなか厳しいのですが、音楽鑑賞にマトを絞るとそんなに不満もなく、音色のキモチ良さも相まって楽しく聴けてしまいます。それ、音楽鑑賞が本来の目的なのだから、これはこれで、イイのだと思います。

 

3Dステージは・・・無いですね。まず定位はボーヨーとしていて鮮明さがない。広大な空間も現れません。スケールは小さい。ボワーンとスピーカーの周りになにかが広がっているだけ。でも・・・音色は良いんです。音場型ではなく、音像型・・・でも無いな。音色で聴かせるタイプ?特にこのスコーカー。味があって良い、気に入りました。目指しているものが全然違うのかもしれません。しばらくはこのまま使いますが、まずはサラウンド軟化処理。そして、最後は大改造までがスコープです。