また詰まらぬものを(・・・以下省略)
ドフでこんなモノ買ってきてしまいました~。3300円(税込み)
普段、めったなことでドフで買い物はしません。
おトクではないからです。
特にオーディオは買ったの何年ぶりだろうというくらいレアです。
でもジャンクならよかろうと。
正確に言うと、ジャンクコーナーではありません。ドフにしてはドームもコーンも潰れていませんのでお値打ち。ただ、3千円ですからねえ。「ほぼジャンク」と言っても良いでしょう。
低域は5.5インチのコーテッドペーパーで布製サラウンドでしょうか。高域はシルクドームのようです。ドーム、コーン、サラウンドともに大きな劣化は見られません。箱はキズが目立ちますが。
実は、このスピーカーシステムが欲しくて購入したわけではありません。小口径ドライバーテスト用の木箱が欲しかっただけで、ジャンク箱を漁っていたら、たまたま目についてしまったのがコレ。ジャンクとそんなに値段変わらないじゃん。したがって、このスピーカーはしばらくするとルーターでえぐられ、原型を留めないくらいに加工されてしまう予定です。
パネルにはONKYO D-072Aとあります。
ドフに並んでいるお安いスピーカーの中では、サイズが好適なこと、他より板厚がしっかりしていること、二次加工が容易そうなこと、などからこれを選定しました。
ただ、せっかく入手したしちゃんと鳴りそうなので、一応、視聴してみましたね。
MOS-FET 6chパワーアンプの2chへ繋ぎ、DSPのクロスオーバーはディフィートして聴いてみました。
試聴記
う~ん、Andromeda-Gammaからコレにスイッチすると正直、拷問です。長くは聴いていられないな。
一言でいえば、「スピーカーの音~っ」「オーディオの音~っ」って感じ?
最初、トゥイーターから何を聴いてもガラスが割れたかのように綺羅びやかで人工的な高音が出てきたので驚きましたが、これは時間経過とともに少し落ち着いてきました(というか耳が慣れた?)それでも、シルクドームとは思えないほどハキハキと鮮明、しかし少々不自然な香りがする高音です。シルクにしては金物の輝きとツヤが出るので、一定層の受けは良さそうです。でも微粒子感は無いんだよな。ソースによってはキャンキャン子犬が吠えつくような音色になります。
派手なわりにステージ感は酷いです。定位も茫洋としてよく分からない。
きらびやかで硬いトーンの高域と、マフマフッとして柔らかなしかし分解能のない中低域と、音色が合いません。どうも木に竹を接いだ感が。
低音は、サイズの割にかなり頑張っている方で良く出ます。バフンドスンとそれなりに迫力や厚みもある。後に実測で明らかになりますがこのサイズにしては伸びもある。ただ、、、中低域~低域が印加されると、箱鳴きも伴ってブワっと音が濁る。Andromedaの透明で見通しがよい低域を聴き慣れてる耳でコレにスイッチすると正直ツラいです。なにもかもが濁って聴こえます。
せっかく低域が伸びている本機ですが、帯域が中~高域に寄ってるソースのほうが相性が良いように聴こえました。まあ、アコースティック楽器だと人工的になっちゃうんですけどね。
まとめると、正対して長時間音楽を聴くのは苦痛です。すぐ止めたり曲をスキップしたくなってしまいます。
P.S.
空間でなく壁にぐっと寄せ、自分の背後から音が・・・つまりBGM的に使うと、隈取の鮮明な高域がメリットになって、なかなかGOODなBGM環境となりました。すぐ片付けちゃうけど。
実測特性
せっかく買ったのだから、測定もしておこうと思います。
市販スピーカーシステムは往々にして測定結果がボロボロなので面白いです(なんと悪趣味な)。
おお~う。想像したよりかは整っている方じゃないですか!?
でも音圧偏差は軸上±6dBって感じか... 調整後のAndromedaと比べるべくもありません。
位相特性(グリーン)も以前お見せしたフルレンジと同じような感じなので...見なかったことにしてください。
高域のやたら、キラキラ、ハキハキした感じはむしろ1 - 4kHzの盛り上がりに出てるのかな?f特以上に人工的な感じを受ける音質です。低音は聴感どおりの豊かさで、この口径+サイズで50Hz付近まで出てるのは立派!ただ、出てりゃいいってモンでもないことは音質が物語っています。
いろいろと酷いことも書いてますが、この価格帯でマトモな音が出たら奇跡です。やはりコストの割には精一杯頑張っているという評価になります。。。。3000円で文句言うな!
低域は近接場で精度高く計測しておきましょう。
このセンターキャップって、パルプじゃなくて布製(ソフトドーム)なのね。
ドライバーのNear Field
ポートのNear Field
さらに、ポート計測時はドライバー高域が混入しないよう少しマスクする
そんで得られた近接場の低域特性がこちら:
グリーン:ポート
グレー:ドライバー
レッド:合成
f3は57Hzといったところか。
いわゆる一連のハイエンドスピーカーに比べると、低域音圧に対するポート依存度が高めです。これはポートの低域輻射をフルにつかって低域伸長していることを示しています。
このグラフで着目してほしいのはグリーン、ポート信号のスペクトル。かなり高めの周波数まで、-12~-20dBという高めの音圧比で滲み出してきてしまっています。この中高域の盛大な漏れが再生音を濁しています。これがPorted(バスレフ型)の潜在的欠陥でもあります。内部吸音材を増やせば、この漏洩レベルは減らせますが、トレードオフにQaが低下し低域の肩も丸まってしまいます。