ついにサイモニディーズの宮廷にタイアからの手紙が届きます。

手紙の内容はこうです。

アンタイオカスとその娘は死んだ、タイアの人々、ヘリケイナスを王にと望むものの彼は王冠を拒み、民衆の騒乱を未然に防ぐため、もしもペリクルーズ王が一年以内に帰国しなければ民衆の意思に従って王位に即くと約束した。

ペリクルーズはタイアへ帰ることとなり、妊娠中の妃も同行を望みます。

一行は乳母のリコルダを連れ船出します。

しかし、突如起こった恐ろしい北風が大嵐を巻き起こします。

あまりの恐ろしさに妃は泣き叫び、あろうことか産気づきます。

大嵐の中、叫ぶペリクルーズ。

そこにリコルダが赤ん坊を抱いて登場します。

赤ん坊の命と引き換えに、お妃が命を落とされたのです。

水夫のひとりが、こうなったらお妃様を海に投げ込むしか手はないと言います。

船乗りはいつもそうしているそうです。

甲板の下に箱があります。

水が入らないよう詰め物をし、タールを塗ってあるやつが。

その箱を妃の棺にするのです。

ここはターサスの近くで、タイアへの進路を変更してターサスに進路をとります。

赤ん坊にはタイアまでの船旅は無理だろうから、ターサスに預け、大事に育ててくれと頼む積もりなのです。

場面はエフェソス。

セリモン邸の一室。

セリモン、海で遭難した召使いと貧しげな男と共に登場します。

二、三人の召使いが登場し、大きな箱を運んでいます。

召使いたちが箱をこじ開けてみると、妃の遺体が現れます。

ペリクルーズの手紙が添えられていて、そこには王の妃たるにふさわしく、手厚き埋葬を乞い願うと書かれていて、収めし宝石はご親切への謝礼とありました。

セリモンは妃の遺体に生気を見いだします。

そしてセリモンによってタイーサは蘇ります。

セリモンは治療にとりかかるため、妃を隣の部屋へ移します。

もう一度気を失えば今度こそ命取りなのです。

タイーサを運んで一同退場します。

場面はターサスです。

十二ヶ月の期限は切れ、タイアには紛争が絶えず、平和は危機に瀕していたのです。

ペリクリーズは海で生まれたので、娘をマリーナと名付けていました。

ペリクリーズはマリーナに乳母のリコルダをつけ、クリーオン、ダイオナイザ夫妻に預けてタイアに向かいます。

一方エフェソスでは、セリモンが棺に入っていた手紙と宝石をタイーサに手渡していました。

タイーサは夫ペリクリーズ王にはもう会えないとなれば、巫女になって神に仕え、俗世の歓びは断つつもりでいます。

そうしてタイーサはダイアナの神殿で、命尽きるまで過ごすことになったのです。

ここまでが、第3幕です。

別れ別れになった夫と妻、そして娘。

そんな家族にまた苦難が待ち受けていたのです。

それは嫉妬という罪深いものが発端となるのですが、それは次回アップします。