M子ちゃん
(71歳 特養暮らし 双極性障害1型)
が今日も電話してきた。
いつも月水金と英会話と日本史の勉強会のために電話してる。
でも今日は日曜日。
なんだ?
M子ちゃん「あのね、あのね、可愛いペンダント見つけちゃったの!」
「ハートですごく可愛いの!見てみて」
M子ちゃんの施設はコロナで外出禁止だ。
買い物はネットしかないんだけど、
M子ちゃんは成年被後見人だし破産もしてるのでカード作れない。
代引きが不可能な場合は、
私宛てに現金を現金書留で送金して
(書留を出すのはワーカーさんに頼める)
私がアマゾンで買い物をして受取人をM子ちゃんにすることが多い。
あと、M子ちゃんの年金は息子さんが管理していて、M子ちゃんはお小遣いを1円ももらっていない。今手持ちの現金は、去年、ダイヤのネックレスを8万円で買い取り屋さんに売って作ったお金を切り崩しながら生きてる。M子ちゃんは浪費家なのでもうそんなに残っていないはずだ。
私「そのペンダントほんとに必要?」
M「前から欲しかったのよぉ〜!それにすごい可愛いし安いから…いいでしょう??」
M子ちゃんは自他ともに認める「少女」なのだ。
私「まあ、私はM子ちゃんの親じゃないから、止めませんけど」
M「ありがとう〜〜〜」
私はあまりアクセサリーに興味が無いので、
付ける機会があるのかわからないペンダントを欲しがるのは、よく理解できない。
でも、その衝動がM子ちゃんの若さと生きる活力の源なのは、
わかる気がする。
閉じ込められた生活で、数少ない楽しみのひとつなのは、
よく分かる。