White Scenery | 戦争について

戦争について

ピアノ演奏者。戦争について一生懸命書きます。

 



「痛い」と泣き喚くことが、
簡単に出来ない人種もいるということを、
彼は絶対にわかっている


四歳のときに幼稚園で、
膝をかなりざっくり負傷した

このとき、私は痛みを感じなかった
変だな、と思った
でも、泣かないと先生は来てくれないから嘘泣きをした
痛くなかったのに


家庭で、
負傷したときに対応をしてもらえなかったり逆に酷い仕打ちをされると、
子どもの脳は痛みを感じなくなるそうだ
「痛いと思うことは、悪」と


今も白く残っている傷で、
普通のばんそうこうの白い面では入らなかった大きさの傷口だったから痛くないはずは無い
でも、消毒液をかけられても沁みて痛いとは思わなかった

今思うと、
そのときの担任もアウトだったと思う
母親と同類だったということ
表情を変えず事務作業のように手当てしていた
母親が選んだ幼稚園だったからだろうか


一緒に保健室に来てくれた友達が、
まだ傷口に興味を持ってガーゼをめくって見てくれたりしたことを覚えている




そういう経験をしている私が、
さっき気づいたのだけれど、
今年に入ってからもう二回も「痛い」「痛かった」と言えた人がいる

詳しく言うと、
まるでこちらが痛みを含んでいることを拾ったかのような良い時機で投げかけがあったから私も抵抗無く言えた
完全に自分から唐突に言うことなんて、
上記の経験をしている私には到底無理だから


このことに気づいたのは、
今朝漫画を読んでいてだった
すごいことに気づいた衝撃に、
二回涙した


誰の痛みにも気づける人の可能性もあるけれど、
私は、
私を愛してくれているから感じ取れてしまったと信じたい、
と思った