【最初の日本人から縄文人へ】古代DNA—日本人のきた道—@国立科学博物館の覚書
3月某日、古代DNA—日本人のきた道—@国立科学博物館に行きました。今は5月です😇自然科学と考古学、ふたつの観点から日本人のルーツをたどる展覧会。各時代の遺物と共に、当時の人骨とそれらのDNA解析による研究結果も展示。こういう、多分野を横断してひとつのテーマを見ていくのはいっそう楽しいですね!楽しいのに、楽しかったのに今は5月です😇(書け科博の公式YouTubeにて、本展の見どころ動画が公開されました。本展を総合監修した篠田館長による解説たっぷり30分。こちらも楽しく視聴してまた刺激されたので、館長のお話をメモしながら、ようやく少しでも記録です。***およそ4万年前(後期旧石器時代)から日本に入ってきたホモ・サピエンス。現在知ることができる、最も古い日本人の姿は沖縄で見つかっている。白保竿根田原洞穴遺跡4号人骨(旧石器時代, 沖縄県白保竿根田原洞穴遺跡出土)この白保4号人骨から復元した男性の顔。約2万7千年前、国内最古の人のひとり。頭蓋骨をコンピューター上で復元、3Dプリンターで作成した頭蓋骨模型に、皮膚は沖縄県の人々を参考に作成された。💡館長解説メモ白保4号人骨をゲノム解析した結果、縄文人の約6割は白保人のDNAを引き継いでいることがわかった。そして、縄文人から本土の現代人に伝わっているDNAは約1割、つまり現代本土人には白保人のDNAが6%ほど引き継がれていることになる。白保人の顔が短く頬骨が横に大きく広い特徴は、同時期ワジャク人(インドネシア)や柳江人(中国南方)との類似が指摘されている。東南アジアや東アジア南部から来た人たちの一部が白保に住み、残りが北上して日本列島に入り、縄文人の一部になったと考えられる。そんな縄文人。船泊遺跡23号人骨(縄文後期・3600年前, 北海道船泊遺跡出土)と複顔縄文人には以下のような身体特徴がある:・丸顔でエラが張り、彫りが深く鼻が高い、立体的な顔つき・歯が小さく、上下前歯の先端同士が触れる噛み合わせ(切端咬合)・小柄で筋肉質(平均身長:男性158cm, 女性146cm)その中でも山間部は華奢で、海岸部は頑丈な体つきであるなど地域差がある。上記の23号人骨の女性は、典型的な縄文人顔とのこと。海と山の道具にも、それぞれ特色がある。左:海岸部の遺跡から出土した骨角器 (縄文後期〜晩年・3400〜3100年前, 宮城県里浜貝塚出土)右:山間部の遺跡から出土した石器(縄文早期・1万1000〜9000年前, 長野県栃原岩陰遺跡出土)こうした狩猟道具などの遺物から当時の食生活を推測できるが、植物などはなくなってしまうので実際のところはわからない。近年では、人骨を分析してそれらも詳しくわかるようになってきた。💡館長解説メモ考古学で今ホットなのはレプリカ法。土器の表面に空いた小さな穴から、その穴を作った植物の種子を特定することで、食料にしていた植物がわかる。一方、最近のDNA研究で興味深いのは、合葬された人骨の血縁関係。それまでは、合葬されるなら血縁関係があると思われていたのが、DNA分析でそうでもないことが明らかになってきた。であれば、縄文時代の家族像とはどういうものであったのか(集団維持のために家族の再構築が頻繁に行われていたか等)、今後発展する研究分野。その他、おもしろ縄文土製品など。シャチやアワビ、イカまである!シャチ形土製品(縄文中期・5000年前,北海道桔梗2遺跡出土)アワビ形土製品(縄文後期・3500年前, 千葉県宮内井戸作遺跡)イモガイ形土製品(縄文晩期・3000年前, 岩手県撒前遺跡)イカ形土製品(縄文後期・4000年前,北海道鷲ノ木4遺跡)男性の象徴は石棒、女性の象徴は土偶、そして母体の象徴は土器と考えられる。内部から石棒が出土した埋設土器, 埋設土器内から出土した石棒形土器(縄文後期・4200年前, 長野県西近津遺跡)妊婦を表した土偶や出産を表した土器、土器の中に新生児の骨を埋葬したものも。お母さんと赤ちゃん土偶。授乳場面を表す土偶・複製(縄文中期・5000年前, 東京都宮田遺跡)墓から出土した人頭形土製品・複製(縄文前期・6000年前, 千葉県南羽鳥中岫1遺跡出土)???Image:The Bends [ レディオヘッド ]なお、最近では縄文時代は約1万6千年前から始まったと考えられている。数年前までは約1万3千年前と考えられ、人類は氷河期にアフリカから移動し、やがて温暖になり食料も豊かになったことで定住して土器を作るようになったと考えられていたが、そうではなく、氷河期中に縄文時代(定住)が始まっていたことになる。研究技術の発展により年代測定もきちんとできるようになって、これまでの考古学的な考えもずいぶん変わってきている、とのことでした。などなど…また簡潔に書けませんでした続けたら続くもいもい▼続きました『【弥生〜古墳、現代へ】古代DNA—日本人のきた道—@国立科学博物館の覚書』古代DNA—日本人のきた道—@国立科学博物館にのつづきです😇自然科学と考古学、ふたつの観点から日本人のルーツをたどる展覧会。今回も館長の解説も参考に、弥…ameblo.jp▼関連記事:日本人はどうやって海を渡ってきたか『【最初の日本列島到達者】海の人類史—パイオニアたちの100万年@インターメディアテクの覚』海の人類史—パイオニアたちの100万年@インターメディアテクの続きです。人類はいかに海と向き合い、挑戦してきたか。100万年にわたる人類の海の開拓史をたど…ameblo.jp古代DNA—日本人のきた道—会期:2025年3月15日(土)~6月15日(日)会場:国立科学博物館料金:一般2100円巡回:名古屋市科学館 2025年7月19日(土)~9月23日(火・祝)特別展「古代DNAー日本人のきた道ー」特別展「古代DNA-日本人のきた道-」公式サイトです。2025年3月15日(土)~6月15日(日)まで、国立科学博物館で開催。ancientdna2025.jp 遺跡から発掘された古代の人々の骨に残るごく僅かなDNAを解読し、人類の足跡をたどる古代DNA研究。近年では技術の発展とともに飛躍的な進化を遂げ、ホモ・サピエンスの歩んできた道のりが従来想像されていたよりもはるかに複雑であったことが分かってきました。本展では、日本各地の古人骨や考古資料、高精細の古人頭骨CG映像などによって、最新の研究で見えてきた遥かなる日本人のきた道と、集団の歴史が語る未来へのメッセージを伝えます。篠田館長の著書人類の起源 古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」 (中公新書 2683) [ 篠田 謙一 ]