6月某日、TRIO:パリ・東京・大阪 モダンアート・クレクション@東京国立近代美術館に行きました。
パリ、東京
、大阪
の3都市の美術館が誇るコレクションが大集合!
パリ市立近代美術館、東京国立近代美術館、大阪中之島美術館の所蔵作品から、20世紀初頭〜現代のモダンアートをたっぷり150点以上を紹介する展覧会です。
出かけたのは6月初め。ほどよく賑やかでした。
左から:辰野登恵子《UNTITLED 95-9》1995 東京国立近代美術館/セルジュ・ボリアコフ《抽象のコンポジション》パリ市立近代美術館/マーク・ロスコ《ボトル・グリーンと深い赤》1958 大阪中之島美術館
都市風景、人物画、抽象表現といった共通するテーマで章立てされ、単体としてはもちろん、作品同士の共通点や違いを見比べたりもして楽しめました。
豪華な顔ぶれが、今回だからこその並びでたくさん見られて楽しかったー!
3都市のモダンガール
左から:早川良雄《第11回秋の秋彩会》1953 大阪中之島美術館/パブロ・ガルガーリョ《モンパルナスのキキ》1928 パリ市立近代美術館/杉浦非水《東京三越呉服店 本店西館修築落成・新宿分館新築落成》1925
3都市のゴロ寝ガール
左から:アンリ・マティス《椅子にもたれるオダリスク》1928 パリ市立近代美術館/〈重文〉萬鉄五郎《裸体美人》1912 東京国立近代美術館/アメデオ・モディリアーニ《神を解いた横たわる裸婦》1917 大阪中之島美術館
なかでも特に、3章「夢と無意識」。なんですかあの素敵空間は!
素敵なテーマに素敵な作家・作品ばかりで、部屋の真ん中に立ってぐるりと見渡したらリアルでこう→
マルク・シャガール《夢》1927 パリ市立近代美術館
女性を背に乗せて、ロバのような体のうさちゃんが逆さまの月夜を走る。
サルバドール・ダリ《幽霊と幻影》c.1934 大阪中之島美術館
タイトルの幽霊はこの人?だとすると、やけに克明な幽霊さん。
むしろ、モヤモヤと巨大な雲の方がなんだか得体の知れない存在感。
カリカリに細密な物質と、もわっとした空間。
三岸好太郎《雲の上を飛ぶ蝶》1934 東京国立近代美術館
ルドンみたいな蝶々が、雲の上までも飛んでいく。
押し花みたいにペタリとして、やけにそこにいる。
ぺたっと感といえば、ボーシャンの鳥ちゃんもいたよ。
アンドレ・ボーシャン《果物棚》1950 大阪中之島美術館
「まどろむ頭部」と題されたコーナーには、デ・キリコにブランクーシ、そしてここにもルドン…と思いきや、イケムラレイコ。どっちもすき!
左から:ジョルジョ・デ・キリコ《慰めのアンティゴネ》1913 パリ市立近代美術館/コンスタンテイン・ブランクーシ《眠れるミューズ》c.1910-1911 大阪中之島美術館/ イケムラレイコ《樹の愛》2007 東京国立近代美術館
ヴィクトル・ブローネル《ペレル通り2番地2の出会い》1946 パリ市立近代美術館
アンリ・ルソーの《ヘビ使いの女》の世界に、ブローネルのオリジナル怪物「コングロメロス」が紛れ込む。
タイトルはかつてルソーが住んでいた住所で、そこに画家が移り住んだことから本作を制作。
左から:ヴィクトル・ブローネル《ペレル通り2番地2の出会い》1946 パリ市立近代美術館/ルネ・マグリット《レディ・メイドの花束》1957 大阪中之島美術館/ 有元利夫《室内楽》1980 東京国立近代美術館
ルソー、ボッティチェリ、初期ルネサンスのフレスコ画など過去の作品を参照し、画家の分身のような存在が描き込まれた3作品が、現実と非現実のあわいを浮き出す。
そういえば2020年に中止になってしまったBunkamuraでの有元利夫展、とても残念でした。また企画されないだろうか…あの世界いっぱい浴びたい!
などなど。
またつづきを書けましたらばもいもい
東京国立近代美術館の名作 国立美術館初の公式ガイドブック (国立美術館ガイド 1) [ 岡崎 素子 ]
TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション
会期:2024/5/21/火〜8/25/日
会場:東京国立近代美術館
料金:一般2200円
WEB
巡回:大阪中之島美術館(2024/9/14/土〜12/8/日)
見て、比べて、話したくなる。
パリ、東京、大阪-それぞれ独自の文化を育んできた3都市の美術館のコレクションが集結。セーヌ川のほとりに建つパリ市立近代美術館、皇居にほど近い東京国立近代美術館、大阪市中心部に位置する大阪中之島美術館はいずれも、大都市の美術館として、豊かなモダンアートのコレクションを築いてきました。本展覧会は、そんな3館のコレクションから共通点のある作品でトリオを組み、構成するという、これまでにないユニークな展示を試みます。時代や流派、洋の東西を越えて、主題やモチーフ、色や形、素材、作品が生まれた背景など、自由な発想で組まれたトリオの共通点はさまざま。総勢110名の作家による、絵画、彫刻、版画、素描、写真、デザイン、映像など150点あまりの作品で34のトリオを組み、それをテーマやコンセプトに応じて7つの章に分けて紹介することで、20世紀初頭から現代までのモダンアートの新たな見方を提案し、その魅力を浮かびあがらせます。