5月某日、犬派?猫派?―俵屋宗達、竹内栖鳳、藤田嗣治から山口晃まで―@山種美術館に行きました。

 

 

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決めらんない!!

 

 

どっちも大好き。犬の健気さは泣けてくるし猫の自由さもたまらない。俺は東京生まれHIPHOP育ちモフれそうな奴は大体すっき。※ただし足は4本まで

 

犬派?猫派?―俵屋宗達、竹内栖鳳、藤田嗣治から山口晃まで―@山種美術館のチラシ

 

 

犬と猫を題材にした作品が集結した特別展。

古くは俵屋宗達から現代は山口晃まで、おなじみの名作も初公開作品も、色々な犬猫ちゃんに癒されましたニコニコ飛び出すハート

お客さんも犬猫好きなのかな?平日午後、賑わっていました。

 

ちょっとお久しぶりの山種美術館、近くでご用事が早めに済んだので立ち寄れてラッキーでした。

 

 

会場では、栖鳳芦雪の2作品がスマホでの撮影OK。

竹内栖鳳《班猫》1924 山種美術館(重文)

竹内栖鳳《班猫》1924 山種美術館(重文)

 

さりっさりっ。見るものを釘付けにする眼差しは、モデルの子猫譲り。

 

 

長沢芦雪《菊花子犬図》江戸時代 個人蔵

長沢芦雪《菊花子犬図》江戸時代 個人蔵

 

むふー顔。墨のかすれで表したもふもふ感もたまりませんニコニコ

 

 

以下、あまり画像がないので安定の名作を中心に。どれも何度見ても素敵です!

 

 

 

ビーグルしっぽ琳派なワンコビーグルあたま

 

まずは琳派のゆるかわ代表、雪佳芳中わんわん

神坂雪佳『百々世草』巻2より「狗児」

 

犬のまんまる曲線とカタツムリのうず巻き、足の爪と竹の地下茎など、シンプルな中に形の呼応が楽しい。

 

細密に描き込まれた絵もすごいけど、さらりと軽やかに描かれたものは、だからこそ線の美しさ巧みさが明快で楽しいな。若冲とかもだけど、書道みたいにリズムがあるから見てて音楽のようにノレて、絵だけど達筆!と感じてしまう。

 

 

中村芳中『光琳画譜』明治時代 芸艸堂

 

たらしこみを多用して、ほのぼのユーモラスな芳中犬。

まるまるころころ!顎乗せも可愛いね。

 

 

宗達のぶち犬もたらしこみ。頭でっかちめで可愛い。

俵屋宗達《犬図》個人蔵 江戸時代

 

水墨で子犬をよく描いた宗達。目つきとか濃淡とかで、ちょっと特有の妖しさも感じるのが素敵な宗達犬。

 

 

 

猫しっぽ歌川にゃんこ猫あたま

 

歌川国芳『流行猫の曲手まり』1841 個人蔵

 

猫といえば国芳!私のイチオシは右に拡大図、二重顎ネコチャン。

浅草で評判だった毬の曲芸師、菊川国丸の演目を猫でパロディ化。

 

 

広重猫も負けじと可愛いよね!

歌川広重『浮世画譜』3編《猫之図》 初版:天保年間, 展示:明治時代 芸艸堂蔵

 

右は推しの2トップ。むふー顔と手毬ちょいちょいネコチャン。

 
 
 

牛しっぽ土牛ワンニャン牛あたま

 

土牛の犬猫、表情がとても好き。

 

 

土牛のお医者さんが猫をたびたび家に連れてくるので、描いても描いてもキリがないという画家のぼやきが面白かった爆笑

 

 


 

黒猫しっぽその他の犬猫黒猫あたま

 

 

ああいい夏だなあ。見ていると自然とセミの音が脳内再生不可避。それもそのはず、タイトルも「蝉の音」だ。ネコチャンはベンチの下でくつろぎ中。

きらめく木漏れ日、角度で色が変化する水の波紋が美しい。水は画家のライフワークテーマだそうだ。

 

この絵のそばには川端龍子の愛犬もいて、大画面の屋外に囲まれて、とてもすがすがしいエリアだった。《秋緑》1947,《立秋》1932 大田区立龍子記念館

 

 

最後は、大暴れネコチャン!

 

他館での展示のツイートですが、國司華子《オチツケ!》2020

タイトルがまず最高🤣

 

 

 

…などなど。

犬猫が主役の企画なのでそちらに集中してしまいますが、ふと気がつくと周囲に描かれた草花などにもうっとり。

ワンダフルな犬に、にゃんともかわいい猫、トリ (最後) には可愛い鳥ちゃんまで見られ、モフモフを堪能いたしました三毛猫もいもい

 

横山大観《木兎》1926

 


 

江戸かわいい動物 たのしい日本美術 [ 金子 信久 ]

 

【特別展】犬派?猫派?
―俵屋宗達、竹内栖鳳、藤田嗣治から山口晃まで―


会期:2024年5月12日(日)~7月7日(日)
会場:山種美術館
料金:一般1400円


近年、ペットブームがさらなる盛り上がりを見せています。中でも最も人に親しまれている動物、 犬と猫は、古くから日本の絵画に描かれてきました。近代以降も、画家たちが自らの愛犬、愛猫をモティーフにした作品が少なくありません。このたび山種美術館では、犬と猫を題材とした名品をご紹介する展覧会を開催します。

 

*もいメモ*

  • 麻田辨自「薫風」:むふー顔が色々見られたが、こちらもイイむふー犬だった。
  • 山本丘人「壁夢」:よいムン顔ネコチャン。
  • 若冲《子犬図》:対幅になっていて、 手箕の中で眠る子犬たちと、ホウキの影から顔を出すワンコが可愛い。さらっと書のように達筆で、目は子犬でもどこか鋭く、若冲らしさかっこいい。
  • 長沢芦雪《狗犬遊図》江戸時代 個人蔵:ぐで犬かわいい。長い。
  • 菱田春草 《柏ニ小鳥》個人蔵:初公開。繊細ふつくしい。
  • 作者不明《洋犬・遊女図屏風》17世紀 個人蔵:初公開。洋犬は桃山〜江戸初期に流行。当時の風俗画にもしばしば見られる。本作はダックスフントか。ロングコート?ふわふわ。室町時代にダックスらしき犬「天竺犬」が輸入されていた。京都相国寺に連れられてきた記録あり。江戸時代の犬は放し飼い。チンなどの珍しい犬は身分の高い女性などが室内飼いした。子孫繁栄、安産といった象徴として親しまれ、多くの絵にも描かれてきた。