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9月某日、インド細密画@府中市美術館に行きました。


細やかな描線と鮮やかな色彩が美しい、インド細密画120点を紹介する展覧会。

 

日本の浮世絵のように手にとって鑑賞したインド細密画は、16世紀後半〜19世半ばに宮廷で親しまれた小さな絵。

 

▼展覧会チラシ

 

1辺20センチほどの紙片に、華やかな宮廷の暮らしや貴人の肖像、ヒンドゥー神話の世界などが微細に描かれました。(スーラもびっくりのミニミニ点描とか、どんな筆使ってるんだろ?

 

なかでも「ラーガマーラ」というインド音楽の音色を絵画化した楽曲絵が見たくて、開催を楽しみにしていました楽しかったです!

 

あれこれ面白かったけど、今回は①インド細密画の特徴②ラーガマーラについてメモします。

 

 

窓がインド風に装飾されてたよーひらめき

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グッズも可愛くて買い散らかしてしまった!目がハート

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  インド細密画の特徴

 

左:ムガル絵画《貴人の肖像》17c後半

右:ラージプト絵画《神々を礼拝するマーン・シング王》c.1795


手に花を持つのは男性像の定番ポーズ、美を愛する象徴🌹肖像は目を強調した横向きポーズが定番。

 

インド細密画は仏教経典の挿絵から発展し、大きく分けるとイスラム文化圏で発達したムガル絵画ヒンドゥー文化圏で発達したラージプト絵画があり、互いに影響を与えた。

 

 

ムガル絵画の特徴

ペルシャ写本の挿絵を手本に西洋画法を取り入れながら、細密リアルに描く。主なテーマは貴人の肖像華やかな宮廷の暮らし。

6代皇帝アウラングゼーブの肖像 c.1655 TheMet ※展示外

 

17世紀、絵画に関心がなかった第6代皇帝が画院を閉鎖、ラージプト諸国へ画家たちが流出した。

 

 

ラージプト絵画の特徴

複数地域による多様な画風で、リアリティーの追求よりも、強い色彩やあえての平面性で美を目指す。

 

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ヴィシュヌとラクシュミ 19c中頃

特にヒンドゥーの神話や英雄を多く描いた。なかでもクリシュナヴィシュヌが人気。音楽や恋心など、目に見えないものも絵画化した。


 

豊かな写本芸術の伝統を持つイスラムと、祈り瞑想といった内省的なヒンドゥーの信仰。

それらに深く根付く細密画は、美を味わったり教養を深めるだけでなく、魂を清める行為でもあった。

 

 

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《ヒマラヤの薬草山を持ち帰る猿の国の戦士ハヌマーン》ラージプト絵画 1710-20


山ごと薬草を持ち帰るハヌマーンかわいいね猿

 

 

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《神の出現》ラージプト絵画 18c中頃


ヒンドゥーとイスラムの文化が融合した建物が美しい。ヴィシュヌを乗せた蛇の尻尾が建物突き抜けてるヘビ

 

 

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《クリシュナとラーダー》ラージプト絵画 c.1680-90


インド神界トップ人気のクリシュナとその恋人ラーダー。愛し過ぎて踊り出しちゃう。

 

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…またもや長くなってしまったので、ラーガマーラについては後編に書きます。

毎回簡潔を心がけてるのに毎回ダラつく敗北パターンやめたい🫠もいもい
 

 

 

おまけ

作品がとっても細やかなので、単眼鏡も役立ちました。

ちょうどプレゼントで頂いたばかりのがさっそく活躍できた!

 

ピント操作も明るさもデザインも、自分が持ってたのよりずっと良くてお気に入り!大事に使おう🥰

 

【galleryeye】倍率:6倍/対物レンズ有効径:16mm/実視界:9.3°/最短合焦距離:25cm

 


 

一冊でわかるインド史 (世界と日本がわかる 国ぐにの歴史)

 

インド細密画
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会期:2023/9/16/土–11/26/日
会場:府中市美術館
料金:一般900円
WEB


インド細密画は、16世紀後半から19世紀半ばに、ムガル帝国やラージプト諸国の宮廷で楽しまれものです。一辺20センチ程の小さな画面には、ファンタスティックな神話世界、豪華な衣装に身を包んだ王の肖像や、しなやかなポーズの女性たちが、繊細な筆で描かれています。あえて小さな画面に描かれたのは、「見る人と絵が一対一で対話をする」という考え方があったからです。絵と静かに向き合い、対話を重ねることは、魂を清める行為でもあったと言います。美しい線と色に彩られた宝石のような絵の中には、豊かな大地から生まれた人々の自然を崇める心や感性、情熱的な信仰心が込められています。古代以来、複雑で深遠な文化を築いてきたインドのすべてが刻まれているのです。本展覧会では、インド細密画の優品120点を紹介します。西洋絵画とも日本絵画とも違う、インド細密画の美の世界をお楽しみいただき、インド文化への興味を深めるきっかけともなれば幸いです。