インターメディアテク開館十周年記念 特別展示『極楽鳥』

 

 

4月某日、インターメディアテク開館十周年記念 特別展示『極楽鳥』に行きました。

 

 

アートとサイエンスの観点から「鳥」をめぐる展覧会。

 

鳥をモチーフにした19世紀〜現代のジュエリーと、それらの着想源となった鳥そのものを歴史的な剥製標本やスケッチで紹介。

なかでも特に極楽鳥ことフウチョウに注目したものです。

 

放置し過ぎて会期終了してしまった展覧会の記録を少しでも片付けたい記事です!😇

 

インターメディアテク「極楽鳥」展の会場

いつの間にか撮影OKになっていた😲

 

 

会場の構成も素敵で、暗がりの中「夜の鳥」の章から始まり、朝、昼、ファンタジーの鳥へと、鳥のさえずりを聴きながら導かれます。*1


 

ではいざ鳥たちの夜へ…夜といえば森のNINJA、フクロウ。

早速フクロウのペンダントが可愛いかった目がハートホホウ

インターメディアテク「極楽鳥展」フクロウのペンダント

左から作者未詳《フクロウのペンダント》c.1880/作者未詳《フクロウのペンダント》c.1860フランス製 共にアルビオン・アートコレクション

 

こういう展示って、ひとつ身につけられるとしたらどれがいいかな〜とか考えませんか?

私はわりに考えますが、今回はこのフクロウちゃん(右)がいいです指差し飛び出すハート

 

愛嬌のあるまんまるフェイス🌝

スモーキークォーツの黄味がかった茶色も、フクロウらしくて素敵だと思います。

 

 

つづいて朝の鳥〜といえばニワトリ!と仲間たち鳥

インターメディアテク「極楽鳥展」の剥製とジュエリー

【1】こんなに太い足のニワトリもいるの?と思ったら「天草大王」という肉食用だそうた。あんなとこに尾長鶏もいた!人間に作られた鳥ちゃんたち。


【2】ニワトリと同じキジ科の仲間、クジャクはジュエリーも華やか。


【3】フィリピン・パラワン島固有種、パラワンコクジャク


【4】キジのみなさん。左からネパールの国鳥ニジキジ、キン×ギンの雑種キンギンケイ、羽根の模様がやばいハッカンさん。

 

 

 

 さまざまなジュエリー

「極楽鳥展」ピエール・ステルレとモーブッサンのジュエリー

左からピエール・ステルレ《鳥のクリップ》年代未詳/モーブッサン《鳥のブローチ》年代未詳/作者未詳《鷲のブローチ》c.1840/モーブッサン《カケスのブローチ》c. 1959/モーブッサン《極楽鳥(ケツァール)のブローチ》1960s《鳥のブローチ》年代未詳 ※すべて個人蔵

 

ジュエリーの動物モチーフで最も多いのは、やはり鳥だそう。

1万種もいる鳥ちゃん、これだけ多様な美しさを持っているのだから納得だ。*2

しかも恐竜だしね!かっこよすぎでしょ!!目がハート

 

 

 

 

そして本展の主役、フウチョウ(極楽鳥)。

「極楽鳥展」フウチョウの剥製
右下:『梅園禽譜』(写本より)「オオフウチョウ」梅園毛利元寿 1877 東大総合研究博物館
 
ニューギニア島とオーストラリアに分布するフウチョウ。
立派な飾り羽根を広げて求愛ダンスをする。
 
極楽鳥(フウチョウ)の剥製
オカメインコ<このフウチョウの飾り羽はちょっと多すぎで、観賞用の剥製はしばしば盛ってるらしい。剥製には研究用、教材用、鑑賞用などがある。
 
生存上、不利であるはずの派手な姿は「性選択」という進化メカニズムのひとつであったが、その美しさは人間に狙われることとなってしまった。
 
19〜20世紀ヨーロッパでは鳥の羽根飾りをつけた帽子が流行し、フウチョウも狩られた。
流行が廃れても、ワシントン条約で取引が規制される20世紀後半まで乱獲は続いた。
極楽どころか地獄の目にあってきたんだね…
 
 
▼過去に出かけた「奇想のモード展」でも関連したお話があったのを思い出します。

 

 

美しき鳥ちゃんたち、フォーエバー。
「極楽鳥展」ハチドリ、コウカンチョウ、カンムリバト、エリマキシギの剥製

【上段】ブラジルから昭和天皇に贈られたハチドリのジオラマ。

【左】コウカンチョウ。アルゼンチンから昭和天皇に献上された標本のひとつ。


【中】青灰色が美しいカンムリバト。ニューギニア島に生息する世界最大のハトだが、捕獲や環境破壊で減少中。


【右】エリマキシギ。ライオンのたてがみのような羽根は、繁殖期のオスだけが持つ「繁殖羽」。首元もこもこで冬に良さげだが、繁殖期は

 
 

 

最後に、いろんな鳥の巣や卵も見られて面白かった。

クイズ!誰の巣でしょう〜か??

極楽鳥展「鳥の巣」

【1】ヒヨドリ巣。ビニール紐も使ってる。


【2】メジロ巣。枝先に吊り下がってる。


【3】ウグイス巣。袋状で、上部から出入りする。


【4】エナガ巣。クモの糸を使ったり、ウメノキゴケで外側を偽装したりと、凝ったつくりで見事に樹木に擬態する。

 

 

…などなど、「実物」の鳥と「表現」された鳥でいっぱいの、鳥ちゃんパラダイス。

インターメディアテク開館10周年を記念した特別展でした。

もう10年になるのですね!!早い!怖い!

 

 

こんな立派な展示ガイドもいただきました。

「極楽鳥」展示ガイド
インターメディアテク「極楽鳥」展示ガイド

楽しかったですふんわりウイングもいもい

 

 

 

セキセイインコ青おまけセキセイインコ青

 

最近いちばんお気に入りの鳥ちゃん。

 

 


 

極楽鳥全種 世界でいちばん美しい鳥 [ ティム・レイマン ]

 

インターメディアテク 東京大学学術標本コレクション [ 西野嘉章 ]

 

 

インターメディアテク開館十周年記念特別展示『極楽鳥』

インターメディアテク

会期:2023.01.20-2023.05.07

会場:INTERMEDIATHEQUE 3F

料金:無料

WEB


インターメディアテク開館十周年を機に、鳥をモチーフとした宝飾芸術の歴史的名品を、鳥の剥製標本をはじめ一級の自然誌標本および研究資料と併せて展示します。東京大学総合研究博物館と、ヴァン クリーフ&アーペルが支援する宝飾芸術の教育研究機関「レコール ジュエリーと宝飾芸術の学校」とが共同で主催する本展示では、「実物」とさまざまな「表現」による鳥の対話を通じて、鳥がどのように学術的に記載され、研究されたのか、また同時に芸術においてどう表象され、それがジュエリーの世界においてどのような工芸的表現に転換されたか、その変遷を明らかにします。 

本展示は「インターメディアテク博物誌シリーズ」の第十回となります。 

*1: ケアンズの森林と牧場で採集したもの😭鳥の声は環境によって音響特性が異なる。森では生い茂る葉に遮られない周波数帯にマッチした声で、オープンな場所では風に妨げられないよう複数の周波数を重ねた声など。すごいなあ。(鳥の音声と環境:6 生息環境への適応

*2: 鳥は人間と感覚のレンジが近い。「嗅覚に頼る種が多い哺乳類の中で、鳥は人間と同じように視覚刺激や聴覚刺激を重視する」(ART news