突然ですが、私の足は四角いです。

 

足の形はギリシャ型・エジプト型・ローマ型などと分類されたりして、四角いローマ型の人は少ないそうです。
 

 

左からエジプト型、ギリシャ型、ローマ型。画像: いらすとやさんより(本当になんでもあるな!

 

 

人口が最も多いエジプト型は親指が一番長く、ギリシャ型は人差し指が一番長い。

 

これは例えば「ギリシャ人の足が皆そういう形だ」ということではなく、古代ギリシャの彫刻にそうした形の足がよく見られることからきている呼称のようです。

(なので、足の形と祖先のルーツを関連づける記事や、性格診断なんてものもありますが科学的根拠は見当たらず。*1

 

 

それで、どうやら自分の足はローマ型というらしい、と知ったその昔の私。

イタリアへ行くことになった時には、ローマ彫刻を見るのをますます楽しみにしていたのです。

日本では少数派のこの四角い足も、ローマ彫刻には仲間がいるんだな!と。

 

で、ぜんぜん四角くなかったんですよね!!


もい山、落胆の1枚@バチカン

 

あるところにはあったかもしれないが、もっと、あいつもこいつも四角!って感じかと思った…

まあローマ彫刻の多くがギリシャ人によるものやギリシャのコピーなのだし、今思えばそりゃそうなのかもだけど、ガッカリしちゃったよね。

 

 

 

 

ローマ彫刻の代表作プリマ・ポルタのアウグストゥス像だって、四角くない。

 

 

ほら!

 

 

てかギリシャじゃん!!

 

 

3Dで見るアウグストゥスより。

 

 

私の狭い観測範囲内での印象ですが、ローマ彫刻といっても、ギリシャ型の足を持った彫刻が少なくないと思われます。

 

 

それどころか、エジプト彫刻にもギリシャ型の足もあるし、これなんてむしろ四角くない?

《メンカウラー王と王妃の像》エジプト第4王朝, 2490-2472BCE

 

 

ほら!

 

 

 

そしてキクラデス彫刻って、最高にローマ型では?

前期キクラデスII期の群像 Wikimedia Commons


 

そんなこんなで、ローマ型って結局なんだかよくわからない。

 

ギリシャ型、エジプト型ときて、まあローマにしとこか?くらいのやっつけで名付けた感がしないでもない🙃

おまけに、ポリネシア型とかスクエア型とも呼ばれたりして曖昧だし…もうキクラデス型でよいのでは。

 

しかも近頃ではスクエア型に名称が統一されつつあり、もはや地域名ですらない。

これで祖先のルーツ説まで言われたら、私の祖先スクエアってなんだよ?昇天

 

 

四角グリーン四角オレンジ四角グリーン

 

 

さて、そんな四角い足が絶対に履けない靴が中世にはある。

 

 

14〜15世紀ヨーロッパで流行した、つま先の細長〜い靴。
「プーレーヌ」や「クラコー」と呼ばれるもので、富裕層に人気のファッションであったという。
 
四角い足がこんな先細りの靴を履いたら、爪が指の肉に食い込み出血沙汰であるが、さすがにここまで尖ると、四角くなくても足に悪いのは同じなようで、プーレーヌの流行に伴い外反母趾や骨折が急増したそうな驚き*2
 
 
それでも履きたいプーレーヌ。
高価で、実用性に欠ける形状が労働の不要な地位を示したのだそうです。
また男性服はチュニックの丈が短くなり足を大いに見せていた時代、足長効果もあったよう。
 
 
現代の感覚からすれば、こんな素っ頓狂な靴を富のアピールの為に足を痛めてまで履くなんて奇天烈な話だけど、現代の流行もきっと、他の時代から見れば色々妙ちくりんなのでしょうねあしもいもい
 
 

 

年4回の楽天スーパーSALE開催!9月4日~11日まで!

 

 

*1: USA TODAY, Greek ReporterRome in the footsteps of a 1750 traveller

*2: Smithsonian MagazineAltas Obscura, BBC

プーレーヌはやがて2インチより長い爪先が禁止になり、その理由が卑猥とされたから(なんで!?)とあるが要検索。あとプーレーヌがペスト後の流行であったこと、WW2と50〜60年代ファッションなど、大多数の人命の喪失とトレンドについて。