今日は、こんなおもしろ動画を見かけました。
1500年代〜2000年代まで、500年分の女性ヘアスタイルの歴史を、たった1人で再現してしまう動画です。
挑戦するのは、歴史的な衣装などを制作する米国のモーガン・ドナーさん。
持ち前の長くゴージャスな髪を様々に結い上げ、時にはためらいもなくバッサリ切り落として再現していきます。スゴイ
500年で女性の髪型がどのように変化していったか?
その流れを、スタイリングの様子と時の肖像画などとあわせて楽しめます
そのいくつかを取り上げてみます。まずは16世紀初頭。
ジャン・クルーエ《Portrait of Charlotte of France》c.1522
肖像画ではフレンチ・フードなどの被り物をしているので全貌は見えないが、ぴしっとセンター分けした三つ編みを頭のまわりに巻いたスタイルと思われる。
ちなみに、イギリスでは角張ったゲーブル・フード(左)が、イタリアではバルゾー(Balzo)と呼ばれるドーナツ型のヘッドドレスが流行していた(右)。
左:ホルバイン《メアリー・ギルフォード》1527|右:ティツィアーノ《エレオノーラ・ゴンザーガの肖像》1536-1538
つづいて、17世紀半ばでは…
ヘラルト・テル・ボルフ《手紙を書く女》c.
両サイドの髪は胸の高さくらいにカットして、巻き巻き。
このサイド巻きは1630〜60年代くらいまで続く人気スタイルに。
ヨハネス・フェルメール《婦人と召使》c.1667
享楽の1770年代では…
アントン・グラフ《Henriette von Carlowitz》1772
ファッションリーダー、マリー・アントワネットの影響で髪がもりもりとビッグに。
もりもりヘアーのボリュームには、なんと靴下を代用して作った即席クッションを仕込む!
そして、靴下が入っているとは思えない完成度。
サイドがちょっと靴下隠しきれなかったらしいけど🤣
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盛り上がったりしぼんだり、タイトになったりルーズになったり…寄せては返す流行ヘアーの波。
19世紀に入ると、もりもり凝り凝りヘアーは去り、無造作なお団子ヘアが主流に。
ヴィジェ=ルブラン《ルイーゼ・フォン・プロイセン》1801
また、これまでにない「ショートヘア(タイタス・カット)」が登場するのもこの頃。
ルイ=レオポルド・ボワイー《Madame Fouler, comtesse de Relingue》c.1810
フランス革命下に生まれたこの流行、長くは続かなかったようですが、その背景にはギロチン処刑の為に短く切られた囚人の髪を真似したとかなんとか。何が流行るかわからないものですね
…などなど。
他にもたっくさんの髪型に1人でチャレンジしています(最後はワーオな姿に!
1860年代の花冠ヘア。可愛いもいもい
参考:Laughing Squid, Encyclopedia of Fashion
歴史を織りなす女性たちの美容文化史 (KS科学一般書) [ ジェニー 牛山 ]