美術検定2級学習73日目。引き続き過去問の復讐です。
本日は、ヴァニタス画についてメモ!

本ヴァニタス画とは


ヴァニタスとはラテン語で「空虚」「むなしさ」を意味し、ヴァニタス画は17世紀バロック期のオランダやフランスで盛んに描かれた、寓意的な静物画のジャンルのひとつ。
「人生のむなしさ」「虚栄のはかなさ」を、それらを象徴する物を配置することで暗示した静物画。

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ステーンウェイク《静物(現世の虚しさの寓意)》1640年頃, ロンドン・ナショナルギャラリー|Photo by wikimedia


メモむなしさを象徴する事物


人生のむなしさや虚栄のはかなさを暗示する物として、次のようなものが描かれます。

【時間・人生のむなしさ、死を表すもの】

頭蓋骨(死の確実さ)
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シャボン玉遊びに使う麦わら・貝殻や泡(人生の簡潔さや死の唐突さ)
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煙を吐きだすパイプやランプ(人生の短さ)
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クロノメーターや砂時計(人生の短さ)
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楽器(人生の刹那的で簡潔なさま)
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その他、爛熟した果物(加齢や衰退)や、皮を剥いたレモンや海草(見た目には魅力的だが味わうと苦いという人生の側面)、地球儀(現世の虚しさ)など。

【虚ろさを表すもの】

覆された杯水差しなど


【権力のむなしさを表すもの】

笏杖など

【虚栄を表すもの】

書物(知識の虚栄)
金貨や宝石(富の虚栄)


むなしいものだらけですね!

破壊と変容の時代であり、死が間近であったバロック時代は、全てが虚無であるとする「ヴァニタス」、その中で常に死を思う「メメント・モリ」、そうであるからこそ現在を生きよとする「カルペ・ディエム」という3つの精神をもたらし、主題として広く扱われました。

調和・均整を目指すルネサンス様式が「永遠の相のもと」を理想とするならば、バロックは劇的な流動性、過剰な装飾性を特色とし、「移ろい行く相のもと」が理想でありました。バロック/Wikipediaより)

アートヴァニタス画の例


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アントニオ・デ・ペレーダ《ヴァニタス》 1635-1636年頃 | Photo by wikimedia

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ピーテル・クラース 《ヴァニタス》1630年| Photo by wikipedia

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エヴェルト・コリエ《ヴァニタス》1669年 |Photo by wikipedia

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コルネーリス・デ・ヘーム 《ヴァニタス - 楽器のある静物画》1661年頃|Photo by wikipedia