宮崎さんに促され更衣室に入る。
ワンピースの衣装がずらりと並んでいて、メイク道具もたくさん置いてある。
ひとり、専属の女性メイクさんが座っていた。
「おはよ~。今日が初めて?衣装選びなよ。」
「え!?全部こんなに丈短いの?やだぁ~」
「じゃあそのリンゴのワンピにしたら?」
数ある衣装の中で、いちばん丈が長いものがリンゴの柄が入った白のワンピースだった。
といっても、膝上15cmでわたしにとっては充分短いものったけれど…
メイクさんに髪型をセットされ、うすく化粧をしたわたしの顔にさらに化粧をしてもらう。
「よし、OK!」
いや…ぜんぜんOKじゃないんだけど…
心の準備が… (´Д`;)
更衣室を出ると、
「いいじゃない!似合ってるよ、いけるいける!」
宮崎さんが微笑みながらグーサインをしている。
なにがいけるんだか… ( ̄_ ̄ i)
丈が短いから股がスースーするよぉ。
カウンターに、真っ赤なドレスを着ている髪の長い女性がいた。
名前はルカさん。
チーフで、女の子のまとめ役みたいなもの。
「ねぇあんた、名前はなんにする?」
名前…そっか、こーいうお店は源氏名使うんだよね。
名前!?名前なんて決めてないし…
「じゃー、あんたはカナね、カナ。」
え、カナ?突然カナになれって言われても… (°д°;)
「これに名前書いて。あんたの名刺だよ。」
オレンジ色で『セレナーデ』と店名だけ印刷されている、白紙の名刺。
これに自分で「カナ」と書かなきゃいけないらしい。
それから、今度はアンナさんという女の子が話しかけてきた。
「今から水割りつくる練習するから、こっちきて。」
アンナさんはさっぱりしたカンジの人で、好感が持てた。
「アイスをね、こーやってグラスに入れて…」
もちろん水割りを作るのははじめて。
ま、簡単そうなんでテキトーに覚えておいた。
それから、女の子の飲みもの。
もちろんお客さんにお酒をいただいてもいいが、ここのお店はカルピスかウーロン茶だけでもOKらしい。
大学の新歓コンパでアルコールに弱いと気づいたわたし…(;^_^A
じゃあここはお酒は飲めなくてもできるバイトなんだ♪
「おはよ~ございま~す♪」
だんだんと女の子がお店に入ってくる。
みんなキレイ。カワイイ。
ギャルっぽいコもいれば、キレイなおねえさんも。
Tシャツにビーサンで来たわたしって一体… (ノ_-。)
お店は20時開店。
あと15分。