「きよし」この夜
あっとひっとり…
あっとひっとり…
9回の表2アウトフルカウント
満塁
猛烈阪神タイガースファンのように
僕は心のメガホンを叩いていた
あと一人が抜けてしまうと
もう店が終わってしまう
「やばい やばいよ、と”うすっぺよ」
中継ぎもいない
救援投手もいない
代打も使い果たした
もう
「代打 おれ」も
毎ゲームやっている
という緊張感にあふれた
五月のある日
スタッフが妊娠したとの報告
の次の日
別のスタッフが骨折をしたとの報告
「おおきい
おおきい
おおきい
センター下がる
センター下がる
見送ったー
うぉあー
入ったーホームラン」
満塁ホームランを打たれてしまったわがチーム
9回裏 わがチームは三振 凡打 ライトフライ
スリーアウト
ということて”
明日は臨時休業を迎えることになりました
実況 「やっちゃいましたね…」
解説 「あぁ あれね 采配ミス 采配ミス」
実況 「試合のポイントはなんて”しょうか」
解説 「あれ それは一回表からの大澤親分の采配ミスにつきますよ」
実況 「五年の長期政権にて初めてのサヨナラ負け、
これは大澤監督も悔しいことて”しょう」
一回 手術があったから ノーゲームもあったようっすけれと”」
解説 「あのね、前もっての危機管理能力に欠けているの」
実況 「しかし3人の退場者、2人の負傷者は予期出来なかったんじゃないて”しょうか」
解説 「そんなんね常に神経を研ぎ澄ましていれば 察知出来たはずじゃないのか」
「大体ね 時代錯誤の考え方をね 捨てたほうがいい」
「そんな熱血なんてね 選手が くたびれるんや」
「もっと 優しく優しく 包み込むように選手を可愛がらなきゃ…」
実況 「ファンは困惑してしまいますね 明日の臨時休業に…」
解説 「そりゃそうや きたのに閉まっているなんて…」
実況 「しかも7月から定休日も作ることを検討しているみたいて”すね」
解説 「はぁ?営業時間短縮して休み作って自分の都合にファンを合わせる???」
実況 「それは困りますね いつ開いてるかわからないなんて…」
………
大澤監督は監督室にて
実況と解説の掛け合いをラジオにて聞いていた
ちゅーか、いろんな人がいろんな事を
好き勝手にいってくれる
現場は混乱
フロントの寒い目
ファンの白い目
そんな状況に
「やばいね やばいね…」と
頭を抱えていると
ギ―(扉の開く音)
オーナー 「大澤君 君は大丈夫かね ふぉふぉふぉ」
監督 「いや オーナー
即戦力が必要なものの求人事情・懐事情を考えますと…」
オーナー 「危機管理能力が足らんね、人望もね…ふぉふぉふぉ」
安西監督のように
オーナーは笑いながら消えていった
翌日 試合前
監督室に
エースを呼んた”
監督 「まぁ 色々な可能性があってね…」
エース 「…」
監督 「このままいくとね 辞表を出さざるを得ない可能性がね」
エース 「…」
エースは落胆することなく
かといって過度に監督を励ますことなく
監督の精いっぱいのセリフを聞いていた
エース 「分かりました。」
と言い残し
静かに監督室を出ていった
そしてその次の日から
エースは
連投を拒まず 中0日にて
完投を志願している
僕は
そんなエースの頑張りに
心の涙を浮かべ
助っ人
ホームラン王の
フロムA君がホームランを打ってくれるのを信じ
勝利投手として
ベンチに迎え入れるつもりになっている
三振はやめてね
僕は中畑になりたい
続く
僕は4月に入り毎日 心の中呟いていた