星三つ | ablindspotのブログ

星三つ



「ぼけー」


「あほー」


「かすー」





と店内で怒号が響き渡る鉄板焼き屋さんに


業者さんと昨夜 お邪魔した。





罵声を浴びせられているのはもちろん店のスタッフ





ホワイトカラーの社会であれば


とっくにパワハラで訴えられているだろう




挨拶や段取りにうるさい僕でさえ


「そこまで言わなくても…。」と時折、感じたりするが


そんな怒号にも愛が見え隠れする





その店員はいつしか精悍な顔立ちになっている。







その大将は 見た目も声も893で


その店に来ているお客さん方も893っぽい方々が多いせいか


新規で飛び込むにはちょっと勇気がいる。





店の扉を開けた瞬間に


「あ、お呼びでない!?」みたいな。





立地も神戸人でも


あまり立ち寄ることがないエリア





とうか夜には



ひとっこ一人歩いておらず


車もほとんど通らない工場と市場がまじわる場所に位置し




いわゆる「紹介がなければ生涯行かない店」


そして「女同士の客がいない店」



が満席で隣の人間との会話も難しい





現にその業者さんは


店内に響き渡る怒号にビクビクしていたが


最後のほうはあまりもの美味しさに来店することを


店主に誓っていた。





店は立地ではない





やはり オーナーの人柄と腕一本にかかっている




焼き豆腐700円




普通の豆腐を鉄板で焼いたものに


ポン酢とネギがかかっただけ




それが文字通り 鉄板メニューになるほどに美味しい





「愛が料理に降臨する」




そんな店にめぐりあったり


知り合いがそういう店の常連になったりしてくれると



僕はこの上なく幸せを感じる






先日 知り合いの店でお酒を飲んでいると


えらそうなお客さんが入ってきた。




「こんどミシュランにのんねん


断ろうと思っててんけど 


一回くらい載せたってもいいかなあって思って…」




おお、やっぱり偉そうだ。


発言がとても偉そうだ。


そして発言がやたらとデカい



そんなポッシュな店には行くことはないだろう





そして




接客 味 店の雰囲気 全てが



評価対象になるミシュランに


この鉄板焼き屋さんが載ることはないだろう




調査員にコテが飛ぶだろう






でもね




遠隔地にあり


禁煙ブームもなんのその


紫煙、愚痴にまみれ


オーナーがそれを一気に吸い込み


一気に違う空気を吐き出す清浄機的役割を果たし






一見 負け組が集う店にみえつつも


その店自体が勝ち組である





それこそが ぼくの中の3つ星の定義なのです











つづく