ドロップキック
昨日 携帯電話を紛失した。
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idaにしてから実に5台目となる。
一代目 逃亡
二代目 水死
三代目 失踪
四代目 水死
五代目 蒸発
もう組の世界
生産中止のため 六代目購入を諦めた。
きっと大安亭で拾われ 拉致られたのだろう
葺合警察に捜索願を出しにいったけど
三代目も見つからんかったしね
携帯のない生活。
たかだか半日だけだったが
これはこれで心地よい。
首輪が取れた時間
営業のころ着音をマシュケナタにして
テンションを上げていたが
おかげで大好きだった曲が大して好きではなくなった。
客、業者、会社 「これでもか」と曜日や時間関係なしに
「どかどかどかどか」と僕の時間に踏み込んでくる。
「ごめんやっしゃー」なんてもちろん言わない
マーキングごとく着歴を残していき
一時間以内にコールバックしないものなら
その後ゲームセンター嵐のように
五分ごとに掛けまくってくるイラチなお客さんや上司ばかりだった。
「なんで出ないの?」
出られないから
出ないのです
そりゃ嫌いになるわな、大好きな曲も。
そして会社を辞めてから
ロンドンに行く前までの3カ月間 携帯が全く鳴かなくなった。
縦にふっても横に振っても
うんともすんとも言わない。
自分からパブロフの犬のように画面をのぞきこんだりして。
「おーい」
「やっほー」
「僕はここにいるよ~」
祇園精舎の鐘の音
これを経験すると人間少しは参る。
精神的に参る。
僕は20代後半だったから良かったものの
猛烈サラリーマンが定年を迎えたときというのは
こういうものなんだな、
あなたが必要とされているわけではない
必要とされているのは立場なんだよ
世の中にバックドロップを決められた僕
とその時 感じたせいか
携帯には執着しない習慣が身に付いた。
そのせいなんだろうね
よく紛失してしまうのは。
ということで 前使っていたインフォバー2に逆流した僕
スマートではない ナンバーセブンのボタンがない
バッテリー部位の背面カバーがはがれてくるので
セロテープでとめている
そんなおんぼろでも気にしない
電話があっても気にしない。
留守電も聞かない
秩序のある世の中にドロップキック
つづく