続・てるみくらぶ倒産について~元業界人から~ | いいお湯いい味いい音楽

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気まぐれに、温泉・食べ物・音楽のことなど書いていきたいと思います。

さて、前の記事の続きです

 

ではこのような被害に遭わないようにするには?

 

必ずしも安かろう悪かろうとも言い切れませんし、このご時世大手だから安心だとも限りません

 

ただ、安いということはそれなりのリスクも伴うということ。

 

例えば、飛行機が飛ばなかった場合。

便の振り替えなどはノーマルチケットが優先。

通常の料金ですから、他社便への振り替えも可能

だから出張などでは高くてもノーマルチケットの場合が多いですよね。

 

ディスカウントのチケットの場合は基本的には「当該便のみ有効」となり、機材トラブルなど航空会社の責任以外の場合には振り替え便への案内義務はありません。(台風などで飛ばなかったら「お客様自身で勝手にどうぞ」と言われても文句は言えない)

実際には待たされることはありますが、当該会社の振り替え便なら乗れることがほとんどですが。

 

ツアーの場合もここで旅行会社の力関係が影響してきます。

 

無事に帰ってこられれば問題ありませんが、何かあった時のサポートは圧倒的に大手が強いです。

飛行機に関してはやはり航空会社系ですね。

 

国内手配で実際に起きてさすがだと思ったのが最大手のJTB

とある旅館で食中毒が起こり、営業停止になった時のこと。

その会社のコンピュータ経由で予約を取っていたらすぐに旅館の振り替え手配、旅館のグレードアップによる差額は食中毒を起こした宿に請求するとのことでお客様は追加負担なし。

 

大手は専門にそういった仕事しているスタッフも多いので、トラブル時の対応も必然的に高くなりますね。

 

 

さて、被害に遭わないためには?

 

一概には言えないですし、きちんとやっている会社の方が多いですから判断は皆様にお任せしますが、実際に見てきて潰れた会社は以下に当てはまっています

 

・出発日が先なのに代金の支払い期日が早い

申込金は出発日に関係なく指定の期日まで払わなくてはいけない場合がほとんどですが、残金は国内2週間前、海外1か月前が目安(繁忙期などは早まる場合あり)

申込金は通常、「旅行条件」に書いてある最初のキャンセル料相当が妥当で、それをかけ離れた金額の申込金を請求される場合も怪しいです

 

業者間の申し込みにも関わらず、前出のジェットツアーなどは出発日の半年前とかに請求してきました。

こうなればプロの集団ですから業界内では悪いうわさが広がり、取引も控えますよね

 

 

・現金払いや早期の代金支払いに特典

てるみくらぶでもやっていましたが、これはもう運転資金集め

「どうせ払うものなら」と早く払ってさらに得するならと思っちゃいますね

今回の被害を大きくした原因の1つでもあります

1年近く先の代金まで払ってしまった方はホントにお気の毒です

そもそも、飛行機やホテルの確保も出来ていなかったのでは?と思います

 

ただ、街の旅行会社なんかでカード払いを断られる場合がありますが、これは販売手数料が低いためカード手数料を支払うと赤字もしくは利益が出なくなるという事情もあるので、だから危ないということでもありません

(ちなみに、JRのきっぶが端末の入っている会社でも5%、取り次ぎ販売の場合は2%とカードで払われたらたまりません)

 

・訳の分からない手数料が上乗せ

「空港使用料」や「燃油サーチャージ」など正規のものは別として、よくあるのが「包括手数料」

通常は出入国カードの作製費などですが、これも自分で書けば不要なもの(書き方なんてネットでもいくらでも出ています)

この手数料の支払いが「強制」の場合は怪しいです。

これも以前潰れた会社の話

ツアー自体の利益が500円で、包括手数料を5千円とってそれでなんとかやっていたという恐ろしい話も

 

書くのが面倒なら支払ってもいいと思いますが、5千円とか1万円とかはぼったくり

疑問に思ったものは内容を確認して無駄なものはカットしましょう。

 

・広告費のかけすぎ

てるみくらぶの社長も広告費の増大が経営悪化の一因とも言っていましたが、薄利の商売でいくら多売してもそうそう利益が出るものではありません。

多くの場合は赤字でしょう

ましてや全国紙に何度も出したら赤字の垂れ流し

大手の場合は他でカバーできるので成り立ちますが、中小ではかなり難しいと思います。

(余談ですが、一時期流行った「仕事の学校」もこれで多くが潰れましたね)

 

・質問にすぐ答えられない

専門的な知識を持ったスタッフが少ない(いない?)

仕事の出来るスタッフは危ない会社からは去っていきますよね

 

・出発案内がなかなか届かない

これはもう申し込んでいざ出発という段階でのことなので手遅れでもありますが...。

売上欲しさに予約も取れていないのに見込み販売してしまったケースや代金未払いでキャンセルされたということも考えられます。

ただ、単に地旅行会社側の作業の遅れということもありますが...。

 

他にも現地でも申し込めるオプショナルツアーをやたら勧めてきたり、パッケージツアーではなくオーダーメードで作りますよとなどと言うような小規模会社も注意したほうがいいかもしれません。

このオーダーメイドというのが曲者で、パンフレットなどのパッケージツアーと違って旅行会社が自由に料金を決めることができます。

ユニットと言って既に出来上がったツアーを自社名で販売したり、格安航空券とホテルを組み合わせただけとか、悪徳業者のぼったくりも多いので注意ですね

 

今の時代、航空券も宿泊もネットで簡単にできてしまいますよね。

海外の場合は現地情報がよく分からなかったり、言葉の問題で旅行会社を利用することが多くなりますが、国内の宿泊ならネットや電話で予約予約、現地にて支払いという方法がいいかと思います。

 

旅行会社を介しても予約さえ入っていれば経由した旅行会社が倒産してもあまり影響はないですから、街の旅行会社に依頼する場合はなるべく現地払いにしたほうがいいでしょう。

(本来は手数料商売ですから、送客だけでも手数料は入ってくるんですよね。それを嫌がるなら運転資金稼ぎと疑ってもいいでしょう)

 

事前払いならキャンセル料の掛かる旅館3日前、ホテル前日より以前に宿泊クーポンと引き換えに支払うようにしましょう

JTBなどのクーポン券が発券できる会社に依頼した方がリスクは少なくなります。(JTBのコンピュータの場合、発券ベースで宿泊機関には代金が入るシステムなので、宿泊先が倒産しない限りは泊まれないという事態にはならないでしょう)

 

今回の一件で、以前のツアーバスの時のように中小旅行会社も淘汰されてくると思います。

 

粉飾決算とかも言われていますが、同じようなことは他の会社もやっている可能性は高いです。

 

皆様が「安物買いの銭失い」にならないことを祈ります。

 

長文おつきあいありがとうございます

 

機会があれば、また業界裏話など書くかも?