「てるみくらぶ」破産=代金99億円、大半返せず-格安旅行、海外に2500人
航空券の発券トラブルがあった格安旅行会社「てるみくらぶ」(東京都渋谷区)が27日、東京地裁に破産を..........≪続きを読む≫
先週末から賑わっていたニュース。
まあ、予想通りの顛末ですね。
いつもはあまりこういうことは書かないのですが、元業界人としてこの会社に関して知っていることを少し書かせていただきます。
また、ブログを読んでいただいている方にこのような業者に引っ掛かってほしくないという注意も込めて。
旅行会社って儲かると思っている方も多いかと思いますが、一部を除いてはビックリするくらい利益の少ない業種です。
本来はお客様からは先に料金を収受して、業者への支払いは後なので運転資金には困らないはずなのですが、特に中小の場合は健全経営が出来ておらずその旅行代金は先のお客様の支払いに充てられるという実態。
利益率が低いので、一旦こういう事態に陥るともうドンドン自転車を漕がなければいけません。
もう利益度外視でとにかく売上を増やそうとします。
今回の件も、計画倒産とか詐欺とか言われていますが、何とか資金が回れば生き続けられるわけですから運転資金集めだったのでしょうね。
もっとも、ここまで負債が膨らんでいたわけですから、もっと早くに手を打つべきだったし、経営陣の見通しが甘かったことも否めないでしょう。
また、帳簿上はお金があるものですから、決算書でも実際の経営状態というのが分かり辛くて銀行まで騙されてしまったりしていますからね。
この「てるみくらぶ」という会社、前身は「アイ・トランスポート」と言う会社で、当時から何度も倒産説が出ていた業界でも有名な会社。
この頃は今のように自社で国際線の航空券の発券などしていなくて、他のホールセラー(卸の旅行会社)からチケットを買っていたんです.。
その中には、だいぶ前にやはり潰れた「ジェットツアー」なんて会社も。
他社の利益の乗った航空券を使ってツアーを作っていたのですから、まあ利益は微々たるものだったと思います。
何度もこの会社には送客したこともありましたが、その頃は特に問題はありませんでした。
悪評が出始めてからは危ないので送られてくるパンフレットはそのままゴミ行きにしていましたが(笑)
いつの間にか会社名が今の名前になっていて、どうも今の会社に吸収された形になっていました。
ここで奇妙なのが、代表者も同じなのに旅行業の登録も取り直しているところ。
この頃には業界からも足を洗っていたので、あくまでも憶測ですが
負債や何らかの理由で旅行業の更新が出来なかったのか、悪評のカムフラージュなのか?
まあ、いづれにしてもよくここまで生き延びられたな。と言うのが正直な感想です。
長くなってしまうので、一旦ここで終わりにして、続編ではこのような被害に遭わないための自己防衛法を書きましょう