親として当然のことをやっていると思う。
89歳になる母親は頚椎症で手足が麻痺し、自分では動くことが出来ない。
「施設に入れば、アンタの世話にならなくてもいいけど…」
母親が言いたいのは、
「自分が旅立った後に、弟が困らないようにしたいから、少しでも金を残して置きたい…」
ということだろう。
弟の預金がいくらあるか、私が知る由もない。
ところが銀行から、弟の定期預金に満期が来ているから、どうするか聞けて欲しいと言われた。
弟にも話をしているらしいが、そのままになっているらしい。
銀行の担当から、詳細を聞かせてもらった。
1年も前に満期が来ている。
また、普通預金の動きも無い。
生活費は、お袋の普通預金から出ているから、当然と言えば当然。
お袋が組んだのだろう、年金型保険も今年から償還が始まっている。
当面の資金使途の予定がないならと、資産運用の提案を持って来た。
聞いた提案内容を弟に説明すると、お袋が猛反対。
理由は、
「銀行の口車に乗せられ、金を増やそうと欲を出しても、元も子も無くなったら困る」
と言うことだ。
自分が旅立った後、病気の息子のために、息子名義で貯めてきた性格の預金だからね。
しかし、基本的な認識がどうも出来ていないようだ。
提案内容の話を詳しく話しても、銀行に騙されているだけだと言う。
以前の担当だった女子行員が実に良かったが、後任の男子行員は良くないと言う。
なぜなら、金を増やすことしか言わないからだそうだ。
銀行は、預かった金を安全に護って暮れる所と信じ込んでいる。
普通預金の保護限度額の話をしようかと思ったが、無駄と思い止めた。