円高傾向に歯止めが効かず1986年には「152円」まで円高になり、輸出企業の工場移転が加速した。
つまり、「低賃金国」への生産拠点の移転だ。
残念ながら中国の市場開放改革など思いもつかない時代だったので、当然進出先は東南アジア。
そんななか、東京の兄弟会社も遅まきながら生産拠点の移転計画が浮かびあがった。
彼らの製品は北米向けカラーTV。
早速、東京から生産技術の若いエンジニアが來馬してきた。
現地で調達できる設備、冶工具、工場備品の調査が目的だ。
限りなく現地で調達する方針なので、類似のものでもOKということだった。
マレシア側のエンジニアの力も借りて調査することとなり、彼からリストを貰った。
数日して、マレ側から「こんなものを本当に調達するのか?」と聞いてきた。
一体なんだと思ってリストをみると、そこには・・・"Elephant Nose"とあった。
「象の鼻」
何のこっちゃ?象の鼻とは?
そこで出張者に聞くと、「半田付け作業工程で出るガス・煙を排気するための蛇腹タイプのダクト・パイプ」と言うことが分かった。
何でも、東京では「象の鼻」と言っているので、そのまま英訳したらしい。
これがその排気ダクト・パイプ。

こういう使い方をすれば、「象の鼻」に見えないこともないが。

言い当てて「妙」とはこの事かもしれないが、笑って済まされるうちはいいけどね。