仕事ですんでいた頃(1987年~90年)、マレーシアのペナン島は、東洋の真珠と呼ばれていた。
マレー半島とペナン島を結ぶ交通の手段は「フェリー」だった。
赴任したころは、既にマレー半島とペナン島を結ぶつり橋型の「ペナンブリッジ」が開通していた。
この橋を建設したのは韓国の現代建設。
日本のゼネコンの方に聞いた話だが、つり橋型の建設が出来るということは、高い技術力の証だそうだ。
橋は、両端からせり寄せるので、高い技術力が要求されるので、韓国勢には出来ないと踏んでいたが、残念ながら日本勢は受注できなかった。
受注に絡んで何かあっても不思議ではない時代だ。
この橋が完成間直近に、大きな事故を起こした。
両端から競りあがってきた最後の工程で、橋桁が落下し橋脚を傷めたそうだ。
当然、命を落とした作業者もいたそうだ。
その後、予定は遅れたが橋は完成した。
自宅はペナン島。
会社はマレー半島にある。
片道1時間半の車通勤。
大半がフェリーを使うが、帰りのフェリーは渋滞で下手すると30分は待たされることも多かった。
そういう時は、一寸高いが橋を使う。
通行料だけでなく、橋の方が遠回りになるが、ガラガラだから時間的には早い。
会社でそういう話をしていたら、夜遅く橋は使わないほうが良いと言う。
何故?
夜遅く橋を通っていると、橋の中央あたりで人が立っていて、乗せてくれというので後部座席に乗せてあげる。
ペナン島に入って、どこまで送れば良いのかと声を掛けると、その人の姿がない。
その人の座っていた席がびっしょり濡れている。
その人は、橋の事故でなくなった作業者。
幽霊ということ。
しかし、よくよく考えてみるにおかしな点がある。
後部座席に座るのと、振り返ったら姿が消えていた。
何故、助手席に乗せないの?
バックミラーで見れば分かるでしょう?
<ペナンブリッジ>

