施工後の伝統耐震診断 | 杉本 龍一のブログ I am a 古民家鑑定士

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古民家を壊してしまうこと無く、修繕、再築しながら、未来のこどもたちに残して行ける、持続可能な循環型建築社会の創造を目指しています。

そのような活動を、建築士の立場から紹介していきます。

八王子市で再築工事中の築300年の古民家。


工事完了後の伝統耐震診断を行いました。

伝統耐震診断では工事前と工事後に診断を行いどれだけ改善されたかを調べることができます。

構造計算のみに頼らず、施工前後で測定を行い数値の改善具合を示すのは伝統耐震診断ならではのこと。

手抜き工事をするとバレてしまう仕組みなのです。


古民家は伝統構法で建てられていて、構造的には「柔構造」一方在来工法は「剛構造」となっています。

再築基準では柔構造の地震力を吸収し、大地震後繰り返し起こる余震にも対応するため、制震ダンパーを併用して耐震補強を行います。

この一連の流れは国土交通省にも認知して頂いています。


この絶妙な数値。
伝統耐震診断士が見れば、素晴らしさがわかります。


茅葺き屋根の下地を活かし、妻側から明かり採りと彩風を行います。

最後の仕上げを行い、いよいよ完成です。