古民家の電気配線 | 杉本 龍一のブログ I am a 古民家鑑定士

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古民家を壊してしまうこと無く、修繕、再築しながら、未来のこどもたちに残して行ける、持続可能な循環型建築社会の創造を目指しています。

そのような活動を、建築士の立場から紹介していきます。

古民家は、真壁と言って土壁で柱の見える構造が多いため、電気の配線を通しにくくなっています。

真壁の既存住宅に後からコンセントや照明を増設しようとすると、露出配線となることが少なくありません。


この露出配線を避けるため、伝統再築士等古民家再生に関わる人達は色々工夫をします。


例えば配線した柱をふかして仕上げをし、同色で塗装するやり方があります。

先日行った三重の古民家では、ふんだんにこの方法が使われていました。


中でも面白かったのが、配線を床から持ってきて、増設した照明スイッチの配線の高さの位置で柱のふかしを止めるパターンです。

ふかし壁を止めた部分の上部に庇のような蓋をすることで、何だか郵便ポストのようなイメージになります。

一寸可愛らしいと思いませんか?


屋根裏の吹き抜け部分も、断熱材を入れたあと仕上げを行うと厚みは少し増しますが、断熱性能は良くなります。

ちょっとした工夫が、お洒落な仕上げとなります。

これも伝統再築士の知恵です。