おまかせ拒否の店 | 杉本 龍一のブログ I am a 古民家鑑定士

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古民家を壊してしまうこと無く、修繕、再築しながら、未来のこどもたちに残して行ける、持続可能な循環型建築社会の創造を目指しています。

そのような活動を、建築士の立場から紹介していきます。

お店で
「おまかせでお願いします。」
というと
「おまかせはできません。」
と言われてしまうお店があります。


ある焼鳥専門店で、焼き鳥を頼むとき「塩、タレ、にんにく醤油のどれにしますか?」と聞かれます。

肉の部位ごとに味わいも歯ごたえも違うので、どれが美味しいか経験を積まなければなかなか選択しにくいものです。

そこで「おまかせで・・」となるわけですが、「おまかせはできません。塩かタレかにんにく醤油か自分で考えて注文してほしいんです。」というのです。

居酒屋であれば適当に塩で、とかタレでとか即答するのですが、ここは終戦直後開店した老舗の焼き鳥専門店。

コの字カウンターのみで昔から禁煙、BGMも流れていない。だからといって変にストイックめかしているわけでも高飛車な感じでもありません。

とても自然体で、慣れてくると凛とした空気がだんだん心地よくなって来ます。

「おまかせできない」と言われ一瞬困惑したものの、すぐに気を取り直し真剣に考えてみる。

皮は塩が好き。
ハツはミルキーな甘みを味わいたいから塩か・・
ねぎまはどっちでも美味しそうだがタレで行ってみるか。
レバーはやはりタレ・・

ポイントはにんにく醤油です。
店主的にはレバー+にんにく醤油が絶対的らしい。
「だったら最初から言ってくれ」とも思うのですが、やはりそういうことではありません。

焼鳥の味を自分なりに色々と思い描き店主に伝え、場合によっては協議して味が決まる。

このプロセスがあってこそ、初めてこの店の客になれるのです。

面倒くさいという人は来なくなるでしょう。でも「おまかせ拒否」のプロセスのお陰で、あえて好んでこの店に来たくなります。

玄人っぽくて私は好きです。

いよいよまん防解除となります。
このようなお店で、落ち着いてゆっくり焼き鳥を楽しみながら飲みたいです。