ダイコーがココイチ等の廃棄食材を横流しした事件、弊社もある意味関連業界ですから他人事ではありません。あれは業者にとっては毒リンゴのようなもの、最初は恐る恐る手を出したのかもしれませんが一度味をしめてしまうと、段々平気になってくる面もあります。誤解されている部分もあるかもしれませんが、今回は賞味期限切れを販売したのが問題になったのではありません。期限の点からいえば、今回の商品はぎりぎりながらセーフです。問題なのは、排出事業者が廃棄として出したのにもかかわらず、廃棄せずに転売した点です。今回、食品だから大問題になりましたけど、食品以外では割合普通のことだったりします。処理代が安いのは引き取った業者が転売している可能性大ですし、排出する方もそれを承知で出している場合も多いです。
一見、業者は処分代と転売の両方で利益を出している構造ですが、片方だけではなかなか儲からないのも実情ですし、処分する方も転売される方も通常より安く済むメリットがあります。
裏話ですがリサイクル店などもいろいろ知恵を絞っています。古物営業法に拠れば、業者はお客さんから処分代を取って引き取るのは禁止です。逆に1円でも値を付けて買い取らなければなりません。例えばお客さんから「家のタンスを引き取ってほしい」なんて依頼を受けたとします。桐のよほど良いものか江戸指物のようなお宝でもない限り、正直値は付きません。お客さんからすれば、買ったときに何十万もしたのだから、それなりに値が付くように考えているようです。業者が処分代として1~2万なんて提示をすると、その値で買い取ってもらえると勘違いする方が少なからずいます。更には「えーっ、たったそれだけ~?これ30万もしたのよ!」業者「????」なんてちぐはぐな会話になったりします。余談はさておき、このとき業者が処分代を受け取っちゃうと古物営業法的にはNGになります。そこで、業者としてはこのタンスに取りあえず100円でも1000円でも値を付けて買い取る形を取ります。一方で「搬出料」などの名目で相応の料金を請求する、これはセーフです。
話はダイコー問題に戻ります。一般論からすれば、排出事業者(今回の場合、ココイチ等)が転売防止のために取り得る方策としては、きちんとした業者を選ぶ、ということしかないのですが、そもそも当のダイコーが優良認定業者だったのですし、ココイチのような上場企業が処分代をケチったとも思えない。だからココイチ側は取るべき方策は尽くした感があり非は無いでしょう。一方ダイコーは正当な対価を得ていたにもかかわらずこのような不正に手を染めたってことで弁護の余地はありませんね。