今日のタイトルは、本のタイトルそのものです。私は普段読書はあまりしませんし、読むとしても立ち読み程度です。今回もタイトルに惹かれ、立ち読みしておりました。ただ書棚に戻す時、ある種の後ろ髪を引かれる思いに駆られ(引かれるほど、髪はありませんが)、とうとう買ってしまいました。本に自腹切るのは久しぶりです。著者は税理士の岡本吏郎氏。実はメルマガ等では何回か拝読させていただいております。更に言えば、面識はありませんが高校の先輩になります。 さて、この岡本氏は税理士・コンサルタントとして数々の中小企業を見てきた人です。そしてご本人もコンサル会社の経営者でもあります。中小企業の経営論は核心を突いたもので、巷の一般論で固めた経営書とは一線を画します。かと言って決して奇をてらったものでもなく、中小企業の実情をしっかり踏まえた本音論とでも言えましょうか。今後、当ブログでは本書からの引用を時として使わせていただくつもりです。
で、今回「中小企業は役員報酬で内部留保せよ」という理論を紹介させていただきます。この時点で「あーなるほど」と頷いた方もいらっしゃるかも知れませんが、中小企業では役員報酬が利益の調整弁的な役割を果たすことが、ままあります。法人としての利益を残すより、役員報酬を厚めにしておいた方が税制上有利だからです。言い換えると、役員報酬は従業員の給与とは違い、100%自分の物ではないと心得よ。ということです。必要あらばいつでも会社に提供しなければならぬ物なんです。プールされる口座が会社か個人かの違いだけです。仮に年間1000万の役員報酬を得ていても、実質的にサラリーマンの500万と一緒ともいえます。
我々も、M&Aで会社の価値を判定する時、単純に損益表や貸借表だけでは判断しません。役員報酬をしっかり見ます。