ビジネス未成線の「未成線」とは何ぞや、という説明をまだしてませんでした。鉄道マニアならわかると思いますが、工事や調査、用地買収が進行していながら中途で頓挫した新線計画です(一部開通も未成線の意味に含まれるようです)。廃線跡を探訪するマニアもいますが、それと同様に人気があるようです。
造り掛けで放置された橋脚などがあったら、未成線の可能性大です。
未成線は廃線同様、大半がその後消えていく宿命を辿りますが、稀に復活する場合があります。新潟の「北越鉄道」(通称ほくほく線)が、その好例です。元々は国鉄時代に東頸城という山間地域の足として計画され、時間の掛かるトンネル工事は既に始まっておりました。ところが世は自動車の時代になっており、沿線人口も少ないことから、不採算路線として工事が棚上げになったのです。
さて時を経て上越新幹線が開通し、国鉄もJRになりました。上越新幹線は新潟までの足だけではなく、北陸方面への足としても利用されています。長岡で在来線の特急に乗り換える訳です。ここで計画中止になっていた「ほくほく線」を復活させる案が浮上したのです。というのはルートが長岡を経由するより、短縮できるからです。
そこで第三セクターで北越鉄道を設立し、中止していた工事を再開しました。作り掛けで放置されていたトンネルも復活しました。当初は電化の予定もなかったローカル線計画が長き眠りの後、単線ながら高規格路線として特急が130キロで走る幹線鉄道として花開いた訳です。
ビジネス未成線は頓挫した計画でも、時の巡り合わせで復活する場合もある、という願望も込めて書いています。第一弾は「宅急便に挑戦した男」でしたが、第ニ弾は月内には出したいと思います。