富士フィルムと言えば、いまやメディカル系大企業ですが、ちょっと前までは大フィルムメーカーでした。この会社が銀塩フィルムに固執していたら、今日は無かったでしょう。TDKも然り。我々世代はカセットテープの会社というイメージが強いですが、やはり磁気テープに固執してたら今日は無いでしょう。社名をきいて、商品名もパッと思い浮かぶような有名ブランドでも、実はもうその商品は主力商品ではなかったりします。パラダイムシフトを察知して早々に対応した経営トップの英知を感じます。

ただ、全部の会社がこうできるわけではない。かと言って座して死を待つわけにも行きません。生き残るためには、上記のような思い切った事業転換をするか、事業の整理・縮小で身軽になるかの選択になります。後者は一見後ろ向きの話に捉えがちですが、早めに段取り良く行えば、企業体力を温存でき、復活にも備えられるというものです。


編集後記

「燃やさないゴミ」というジャンルがあります。つまり「燃えるゴミ」「資源ゴミ」に括れないゴミのことで、自治体によって区分は若干違いますが、蛍光管や電球、陶器、ガスカートリッジ、化粧品容器、電池電材などが挙げられます。先日テレビでやってたのですが、今後使い捨てライターが、相当出てくるとの予測があります。つまり、小さな子供がいたずらできないライターへの転換が義務化される方向にあり、それに伴い旧型が大量廃棄されるとのことです。ある自治体では、その処理コストに頭を痛めているそうです。いまさらいう話でもありませんが、大量生産大量消費は20世紀の遺物です。21世紀は、20世紀に大量に生産・流通させた物資というか仕組みの精算に追われるのではないでしょうか。生産ではなく、精算です。本来、処理コストは生産者が負うべきものと考えますけど、それらは当然価格に反映されるわけです。しかし、現状は価格破壊、デフレで商品価格に転嫁できません。結局税金で負担という話になりますが、それを辿れば安さを享受した我々消費者の負担と言うことになります。