海水や空気は、なぜ地球自転の遠心力で吹き飛ばされないのか
地球の自転による遠心力が海水や空気を吹き飛ばさない理由は、遠心力が重力に比べてはるかに弱いからです。定量的な比較地球の自転角速度
ω\omega\omega
は約 $7.292 \times 10^{-5},\mathrm{rad/s}$(1日で1回転)です。赤道上での遠心加速度は
ac=ω2R≈0.034 m/s2a_c = \omega^2 R \approx 0.034\,\mathrm{m/s^2}a_c = \omega^2 R \approx 0.034\,\mathrm{m/s^2}
です($R$ は地球半径 $\approx 6378,\mathrm{km}$)。一方、重力加速度 $g$ は約
9.8 m/s29.8\,\mathrm{m/s^2}9.8\,\mathrm{m/s^2}
なので、
- 遠心力は重力の 約0.3% に過ぎません。
- 赤道でも有効重力は
g−ac≈9.78 m/s2g - a_c \approx 9.78\,\mathrm{m/s^2}
程度にしか減りません。g - a_c \approx 9.78\,\mathrm{m/s^2}
極では遠心力がゼロに近いため、この差がさらに小さくなります。海水・大気が吹き飛ばされない理由
- 重力が圧倒的に優勢
遠心力は「外側へ飛ばす力」ですが、重力がそれを大きく上回っているため、物体は地球表面から離れることができません。 - 有効重力の下で静水圧平衡にある
大気や海洋は「重力 − 遠心力」という有効重力の下で平衡状態にあります。遠心力は単に有効重力を少し弱め、地球をわずかに赤道方向に膨らませる(扁平率約1/298)効果を持つだけです。 - 速度の違い
もし遠心力で飛ばされるほど速く回転していれば(例えば自転周期が約1.4時間以下)、赤道付近の物体は軌道速度に達して宇宙空間へ飛び去ります。現実の地球の自転はそれよりはるかに遅いです。
まとめ海水や空気が地球に留まるのは、重力が遠心力をはるかに上回っているからです。遠心力は無視できるほど弱く、せいぜい「赤道で体重がわずかに軽くなる」「地球が少し扁平になる」程度の影響しか与えません。