ナフサ切れの実情は
ナフサ切れ(ナフサ不足)の実情は、中東情勢(主にイラン関連のホルムズ海峡事実上封鎖)が原因で2026年春頃から深刻化している供給不安・価格高騰です。 完全な「切れ」ではなく、価格急騰・品薄・配給目詰まり・一部産業の生産調整が起きている状態で、政府と現場の実感にズレがあります。
zoukaichiku.com
背景と原因
- ナフサは原油精製で得られる石油製品で、プラスチック・合成樹脂・ゴム・塗料・接着剤・シンナー・食品包装・医療資材・建材などの基礎原料(「石油化学のコメ」)。
- 日本はナフサ輸入の7-8割超が中東依存(原油全体でも中東依存95%前後)。ホルムズ海峡経由の物流停滞で調達が急激に難航。
biz-journal.jp
- 2026年2-3月頃から価格が急騰(例: 1トンあたり数百ドル→2倍近く)。韓国などでもNCC(ナフサクラッカー)稼働率低下・停止事例あり。
政府の見解 vs 現場の実態
- 政府・経産省の見解: 国内精製継続 + 非中東(米国・アルジェリアなど)からの代替輸入増(5月には平時の3倍超の見込み) + 川中製品(ポリエチレンなど中間品)在庫で、国内需要の4ヶ月分超確保。2026年末〜2027年以降も供給持続可能と表明。原油備蓄は豊富(数ヶ月分)だが、ナフサ単体備蓄は薄い(民間在庫平時約20日分)。
asia.nikkei.com
- 現場の実態:
- シンナー・塗料・養生テープなどで値上げ(2倍前後)・品薄・入荷制限が顕在化。塗装業界では「オイルショック時より悪い」との声。
newsdig.tbs.co.jp
- 住宅設備(TOTOがユニットバス受注停止・調整)、建材(断熱材・塗料・配管)、食品包装(Calbeeが白黒パッケージ変更)、プラスチック製品などで納期遅延・受注停止・生産調整。
- 製造業の多くでリスク感知(帝国データバンク調査など)。韓国・日本でエチレンなど減産・稼働率低下。
reuters.com
- 一部で過剰発注による目詰まりも指摘。
- シンナー・塗料・養生テープなどで値上げ(2倍前後)・品薄・入荷制限が顕在化。塗装業界では「オイルショック時より悪い」との声。
影響範囲
- 日常生活・産業: 家電・自動車部品・医療資材・食品容器・洗剤・肥料など幅広い。住宅リフォーム・新築で資材不足・工期遅れの可能性。家計負担増(年間数万円試算も)。
- 長期化リスク: ホルムズ封鎖が続けば代替調達の争奪戦激化、価格高止まり・「物がないインフレ」へ。5月以降が一つの焦点。
opusstyle.jp
今後の見通し政府は代替調達加速・備蓄放出で「量は確保」と強調する一方、現場では価格高騰と物流の不安定化が続きやすい。完全解決には中東情勢の安定が必要で、短期的な完全正常化は難しい状況です。企業側は在庫確認・代替材料検討・価格転嫁交渉を進めています。情報は2026年5月中旬時点の報道に基づきます。情勢は流動的ですので、最新ニュース(経産省・石油化学工業協会など)を確認してください。