イラン政局
イラン民 堪忍袋の 緒を切るか
イラン政局は現在、2026年2月28日に始まった米・イスラエルによる大規模攻撃(最高指導者アリ・ハメネイ師の殺害を含む)で極めて深刻な危機状態にあります。攻撃から約3週間経過した今も、双方の応酬が続き、停戦の見通しは立っていません。現在の主な状況
- 体制の弱体化:ハメネイ師の死後、次男のモジタバ・ハメネイが新最高指導者に選出されたが、政権中枢(革命防衛隊/IRGC中心の強硬派)が支配的。実質的な指導者だったアリ・ラリジャニら要人も空爆で死亡し、内部の権力闘争・腐敗が加速。
- 軍事面:イランはホルムズ海峡を事実上封鎖し、湾岸諸国(カタール・サウジ・UAE)のエネルギー施設を攻撃。核施設やミサイル能力は大幅に破壊されたが、代理勢力(ヒズボラ・フーシ派など)を通じた反撃能力は残存。トランプ大統領は「目標達成に近づいた」「作戦縮小も検討」と発言する一方、米軍は強襲揚陸艦・海兵隊増派を進めている。
- 国際対応:G7や日米英などが海峡封鎖を非難し、共同声明。原油価格高騰・エネルギー危機が世界的に深刻化。日本は個別交渉を否定しつつ、停戦後の掃海支援可能性を示唆。
イラン国民の「堪忍袋の緒を切るか」について直近の大規模な反政府デモは2025年末〜2026年1月にピークを迎え、通貨暴落・インフレ・生活苦が発端で全国180都市以上に拡大。「死刑執行猶予」や「外国勢力の陰謀」として当局が激しく弾圧し、数千人〜3万人規模の死者(人権団体推計)を出してほぼ沈静化させた。ネット遮断・大量逮捕で情報統制が極端に厳しくなった。しかし、現在の戦争で:
- 経済はさらに崩壊(封鎖・攻撃で輸出入停止、インフレ加速)
- 体制への不満はむしろ蓄積(強硬派支配の世襲化、腐敗、弾圧の記憶)
- 反体制派(NCRIなど亡命勢力)は「空爆だけでは倒せない、国民蜂起が必要」と主張
現時点で大規模な国内蜂起・暴動の兆候は明確に確認できない(情報統制が強いため)。ただ、戦争長期化で食糧・エネルギー不足が深刻化すれば、国民の我慢が限界に達する可能性は十分にある。1月の弾圧を生き延びた人々が、再び「体制打倒」を叫ぶ火種は残っていると言えます。結論として、「緒を切る」瞬間はまだ来ていないが、切れる寸前まで来ている状況です。戦争が短期間で終わらず、体制がさらに国民を締め付ければ、内部崩壊の引き金になるリスクは極めて高いと思います。