祭政一致 イラン
聖職者 妻帯許され 息子持ち
イランの政治体制は、祭政一致(政教一致、神権政治)の典型例です。1979年のイスラム革命以降、シーア派イスラム教の聖職者(特に高位のアヤトラ級)が国家の最高権力を握るイスラム共和国として成り立っています。
- 最高指導者(Supreme Leader)が宗教的・政治的最高権威で、軍・司法・メディアなどの最終決定権を持ちます。
- 最高指導者は専門家会議(聖職者で構成される88人程度の組織)によって選ばれ、一般選挙で選ばれる大統領よりも上位に位置します。
- これにより、宗教(シーア派のイスラム法解釈)と政治が一体化した体制が続いています。サウジアラビアのようなスンニ派国家とも異なり、シーア派特有の「法学者統治(ヴェラーヤト・エ・ファキーフ)」という理論が基盤です。
イランの**聖職者(特にシーア派のウラマー)**は、妻帯(結婚)が完全に許され、むしろ奨励されています。
- キリスト教のカトリックのように独身制はなく、シーア派では聖職者も普通に結婚・家庭を持ち、子供をもうけます。
- 多くの高位聖職者は妻帯し、息子や娘が政治・宗教界で活躍するケースが一般的です。聖職者の家系は社会的地位が高く、**縁故主義(ネポティズム)**が強い傾向があります。
有名な例として、最近の状況(2026年現在)では:
- 元最高指導者アリ・ハメネイ師(故人)は妻帯し、複数の子供がいました。
- その息子であるモジタバ・ハメネイ師(Mojtaba Khamenei)が、後継として最高指導者に選出されています。
- モジタバ師自身も結婚しており、妻は有力聖職者の娘、子供もいます。このような聖職者家系の世襲的傾向は、革命後のイランで批判されることもありますが、現実として権力の継承に影響を与えています。
つまり、イランでは祭政一致の体制下で、聖職者が妻帯し、息子が政治・宗教のエリート層として活躍するのが普通です。これが欧米の政教分離やカトリック独身制とは大きく異なる点ですね。