台湾

台湾の蔡英文総統は「現在、中国の指導部は内部の課題への対応に追われている」として、中国による大規模な侵攻は差し迫っていないという認識を示しました。

アメリカの有力紙、ニューヨーク・タイムズは29日に、ニューヨークでイベントを開き、蔡総統がオンラインのインタビューに答えた内容を公開しました。

この中で蔡総統は、中国による台湾侵攻のリスクをどう評価するか問われたのに対し、「可能性のある時間表を話題にしたがる人が多いことは知っているが、習氏は、最近のバイデン大統領との会談で答えを出している」と述べました。

これは、11月に行われた米中首脳会談で、習主席が「2027年や2035年に中国が軍事作戦を行う計画はない」という趣旨の発言をしたとされることを指していると見られます。

そのうえで蔡総統は「現在、中国の指導部は内部の課題への対応に追われている。大規模な台湾侵攻を考える時ではないだろう」と述べました。

蔡総統は、中国の指導部が直面している課題として、「主に国内の経済と金融、それに政治的なものだ」と指摘しました。

一方、来年1月の台湾総統選挙に中国が介入するおそれについて、蔡総統は「台湾の選挙に影響を与えようとする中国のたくらみは成功しないだろう。台湾は民主社会であり、人々は最良の決定をして新しい総統を選ぶだろう」と述べました。