事件
2021年、東京 調布市を走行していた京王線で乗客が切りつけられ、車内が放火された事件で、殺人未遂などの罪に問われた被告に、東京地方裁判所立川支部は懲役23年の判決を言い渡しました。
無職の服部恭太被告(26)は、2021年10月、東京 調布市を走行していた京王線の車内で、当時72歳の男性をナイフで刺して大けがをさせたほか、まき散らしたライターオイルに火をつけ、乗客12人を殺害しようとしたとして、殺人未遂や放火などの罪に問われています。
裁判で被告は「交際していた女性が自分と別れて半年で結婚したことを知り、ショックだった。自殺願望を抱くようになったが、死刑じゃないと死ねないので、事件を起こすしかなかった」などと証言していました。
争点は、12人の乗客に対する殺人未遂罪が成立するかどうかで、検察は、「乗客を焼き殺す意思があった」とした上で、「走行時間が長く逃げることができない特急電車を選んで計画的に犯行に及んだ」として、懲役25年を求刑しました。
これに対し弁護側は、「ライターを投げた時点で、乗客は危険な場所から逃げているか、逃げていなくても死亡する危険性はなかった」として、放火に伴う殺人未遂罪は成立せず、懲役12年程度が相当だと主張していました。
31日の判決で、東京地方裁判所立川支部の竹下雄裁判長は、服部被告に懲役23年を言い渡しました。