ウクライナ軍 反転攻勢へ「形成作戦」進めているとの見方も | 親父と息子の口喧嘩

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ウクライナ軍 反転攻勢へ「形成作戦」進めているとの見方も

 ウクライナ情勢

ウクライナ東部でロシア軍によるミサイル攻撃があり、2歳の女の子が死亡、子どもを含む20人余りがけがをし、ゼレンスキー大統領はロシアを強く非難しました。
一方、ロシアでは、ウクライナとの国境近くで燃料施設などへの攻撃が相次いでいるとみられ、ウクライナ軍が反転攻勢に向けて「形成作戦」と呼ばれる準備段階の作戦を進めているという見方も出ています。

ウクライナ空軍は4日、未明の時間帯にロシア軍が巡航ミサイル6発とイラン製の無人機5機で攻撃を仕掛け、このうちミサイル4発と無人機3機を迎撃したと発表しました。

こうした中、東部の都市ドニプロ近郊では3日、ロシア軍によるミサイル攻撃があり、ウクライナ内務省によりますと、破壊された住宅のがれきの下から2歳の女の子が亡くなっているのが見つかったほか、子ども5人を含む22人がけがをしたということです。

ウクライナのゼレンスキー大統領は3日夜、SNSに「再びロシアはテロ国家であることを証明した」と投稿し、ロシアを強く非難しました。

一方、ロシアでは、ウクライナとの国境近くで燃料施設などに対して無人機による攻撃が相次いでいるとみられ、ウクライナ軍が反転攻勢に向けてロシア側の後方支援の拠点などをたたく「形成作戦」と呼ばれる準備段階の作戦を進めているという見方も出ています。

ゼレンスキー大統領は、3日に公開されたアメリカの有力紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」のインタビューで、反転攻勢について、欧米からの兵器のさらなる供与を期待しつつも、「何か月も待っているわけにはいかない」と述べていて、今後のウクライナ軍の動向が焦点となっています。

「形成作戦」をめぐる動き

「形成作戦」は、敵の後方支援の拠点や補給網を攻撃し、自軍の進軍に有利な状況をつくる作戦を指すとされています。

ウクライナの軍事専門家、サモシ氏は、先月のNHKのインタビューで、「軍事インフラを破壊し、戦場を用意する作戦だ。形成作戦を行えば、歩兵部隊をどれだけ有していてもロシア側の戦況は厳しくなり、両軍の戦力の差が決定的ではなくなる」と述べ、人員面で不利なウクライナが反転攻勢に乗り出すうえで有用な戦術だという見方を示しました。

去年ウクライナが進めた反転攻勢の前にも同様の作戦が行われたとしています。

ウクライナのフロロワ元国防次官は先月、NHKのインタビューに対し、「侵攻当初からキーウ周辺やヘルソン州、東部ハルキウ州の奪還などで形成作戦が行われてきた。弾薬や燃料など物資の供給を止めたうえで攻勢をかけると、ロシア軍は逃げ出さざるをえなくなる」と指摘しました。

アメリカのCNNは、こうした形成作戦の一環でウクライナが去年、高機動ロケット砲システム=ハイマースなどを使用した橋や弾薬庫への攻撃や航空機からの攻撃を行ったと伝えています。

ことし、ウクライナが大規模な反転攻勢を計画していると伝えられる中、CNNは先月12日、「反転攻勢に先立つ形成作戦が始まっている」というアメリカ軍関係者の見方を伝えました。

また、イギリスの経済紙フィナンシャル・タイムズは、先月30日付けの電子版で、
▽先月22日にロシア西部のウクライナとの国境付近で戦闘が起き、ロシア人などの義勇兵を名乗る2つの組織が関与を主張したことや、
▽ウクライナの無人艇が黒海を航行するロシアの情報収集艦に対して行った攻撃、
▽先月30日、モスクワ周辺に無人機が飛来したことなどは、
いずれもウクライナによる形成作戦の一部だと伝えています。

そのうえで、こうした行動はロシア側の注意をそらし、人員の投入を強いることを目的としていて、ウクライナ側は効果的な方法を模索しながら形成作戦を続けるだろうという専門家の見方を伝えています。