役の優婆塞(えんのうばそく)は、賀茂の役公(かものえんのきみ)で、今の高賀茂朝臣はこの系統に当たります。
因みに優婆塞とは、在俗の僧侶のことです。
役の優婆塞は、大和国葛城上郡茅原の人です。
生まれつき賢く、その博学ぶりは近郷随一と言われました。
三宝を信じ、修行に励んでおりました。
三宝とは、仏法僧つまり仏と仏の教えとその教えの信者のことです。
いつも、五色の雲に乗り、大空の外に飛び出し、仙人の宮殿に集まる客人たちと一緒に、
永遠の世界で遊び、花で覆われた庭園で憩い、体力や気力を養う霊気を十分に吸いたい
と願っていました。