北アルプスの燕岳などで信州大学の研究グループが新種のきのこを発見しました。

信州大学の研究グループは、おととしからこれまでに北アルプスの燕岳や西穂高岳、それに中央アルプスの木曽駒ヶ岳付近の標高およそ2500メートルから2600メートルの高山帯で、小さな黄色い傘があるきのこを発見しました。

研究グループによりますと、見つかったきのこはまつたけと同じキシメジ科に分類されますが、複数回にわたるDNA鑑定の結果、これまでに確認されているきのことは異なることがわかったということで、研究グループは今月、国際的な学術雑誌に新種が見つかったという論文を投稿する予定です。

このきのこはハイマツの林でしか見つかっておらず、DNAの配列が北米の山岳域に分布するきのこと非常に近いということで、研究グループはハイマツと同じく、氷河期に分布域が南下し、その後の温暖化によって日本の高山帯に自生するようになったとみています。

研究グループの山田明義准教授は「分類的にはまつたけと同じなので、食べられるか調べたい。ハイマツ帯が温暖化で衰退すると、このきのこも同じような運命をたどる可能性があり、環境の変化にどのように反応していくかもみていきたい」と話しています。