大手電機メーカー「東芝」の子会社で働いていた30歳の男性社員がおととし自殺したことについて、長時間労働が原因だとして労災と認められていたことがわかりました。

労災が認められたのは「東芝デジタルソリューションズ」で働いていた安部真生さん(30)です。

会見した両親と弁護士によりますと安部さんは2015年4月に入社しシステムエンジニアとして働いていましたがおととし、自殺しました。

労災の申請を受けて労働基準監督署が調べた結果、亡くなる直前の1か月の時間外労働は100時間を超えていたことがわかり、去年12月に労災と認定されました。

弁護士によりますと当時、厚生労働省が発注した介護データサービスに関するシステムの構築にたずさわっていました。

亡くなる直前には両親に「人手が足りず仕事がきつい」などと話していたということです。

会見した母親の宏美さんは「息子を亡くしてからなぜ、こんなことが起きてしまったのかと考えない日はありません。多くの人に知っていただき、仕事で奪われる命がなくなってほしい」と話していました。

「東芝デジタルソリューションズ」は「極めて重く受け止めております。ご冥福をお祈りするとともにご遺族のみなさまに対して誠心誠意対応していく所存です。社員の心身の健康維持増進に一層努めてまいります」とコメントしています。