停滞する前線の影響で、各地で断続的に非常に激しい雨が降っています。西日本では12日夜にかけて、東日本から北日本では13日にかけて局地的に非常に激しい雨が降るおそれがあり、土砂災害や低い土地の浸水などに警戒が必要です。

気象庁によりますと、停滞する前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、全国的に大気の非常に不安定な状態が続いています。

11日から各地で雨が急激に強まり、気象庁は、大雨で災害の危険が迫っていることを伝える「記録的短時間大雨情報」を、11日1日で四国、中国地方、東北、関東、九州の6つの県で10回発表しました。

12日午前6時までの1時間には、レーダーによる解析で、長崎市付近でおよそ110ミリの猛烈な雨が降ったとみられ、気象庁は記録的短時間大雨情報を発表しました。

また、午前7時半までの1時間には、
▽福島県新地町で55ミリの非常に激しい雨を観測したほか、
▽広島県北広島町細見で42.5ミリ、
▽長崎県島原市で33.5ミリの激しい雨を観測しました。

大気の非常に不安定な状態はこの後も続き、西日本では12日夜にかけて、東日本から北日本では13日にかけて局地的に雷を伴って非常に激しい雨が降るおそれがあります。

13日朝までの24時間に降る雨の量は、いずれも多いところで、
▽東北、伊豆諸島、東海、四国、九州南部で150ミリ、
▽関東甲信で120ミリ、
▽中国地方と九州北部で100ミリと予想され、
その後も東北で雨量はさらに増える見込みです。

気象庁は、土砂災害や低い土地の浸水、川の急な増水に警戒するとともに、落雷や竜巻などの突風、それに「ひょう」にも十分注意するよう呼びかけています。

「記録的短時間大雨情報」11日は10回12日も2回

 
「記録的短時間大雨情報」11日は10回12日も2回

広い範囲で大気の状態が非常に不安定になっているため、11日から12日朝にかけて、大雨で災害の危険が迫っていることを伝える「記録的短時間大雨情報」が相次いで発表されました。

記録的短時間大雨情報は地域ごとに、数年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨を観測したときや解析したときに気象庁が災害の危険が迫っていることを伝える気象情報です。

11日の午前中は、レーダーによる解析で、
1 高知県黒潮町付近で1時間に120ミリ以上、
2 愛媛県の愛南町付近で1時間におよそ110ミリ、
3 宇和島市付近で1時間におよそ100ミリの猛烈な雨が降ったとみられるとして、「記録的短時間大雨情報」が発表されました。

また、11日昼すぎから夕方にかけては
4、5 松江市付近で1時間におよそ100ミリが2回、
6 福島県郡山市付近で1時間におよそ110ミリ、
7 福島県須賀川市付近で1時間におよそ100ミリの猛烈な雨が降ったとみられるとして、「記録的短時間大雨情報」が発表されました。

夕方から夜遅くにかけては
8 栃木県日光市今市付近と
9 那須塩原市付近で1時間におよそ110ミリ、
10 鹿児島県枕崎市付近で120ミリ以上の猛烈な雨が降ったとみられ、「記録的短時間大雨情報」が発表されました。

発表の合計は11日だけで四国、中国地方、東北、関東、九州の6つの県で10回にのぼりました。

また、12日未明から朝にかけても、
11 鹿児島県南九州市付近で1時間におよそ120ミリ、
12 長崎市付近でおよそ110ミリの猛烈な雨が降ったとみられ、「記録的短時間大雨情報」が発表されました。