ベラルーシ 大統領選対立候補「リーダーとして行動する準備」

旧ソビエトのベラルーシでは、先週行われた大統領選挙で現職のルカシェンコ大統領が6選を決めたとされたものの、選挙結果は不正だとして大統領の退陣を求める声が強まっていて、対立候補だったチハノフスカヤ氏も「国家のリーダーとして行動する準備ができている」と述べ、徹底して対決する決意を表明しました。

ベラルーシでは今月9日に行われた大統領選挙でルカシェンコ大統領が6選を決めたとされたことに対し、選挙結果は不正だとして反発が広がっていて、国営企業でもストライキが続いています。

選挙の対立候補だった主婦のチハノフスカヤ氏は、現在、隣国のリトアニアで政権の移行に向けた組織を結成するなど活動を進めていて、17日には動画でメッセージを発信し、「皆さんが私を信じ力をくれた。国家のリーダーとして行動する準備はできている」と述べ、徹底して対決する決意を表明しました。

これに対して、ルカシェンコ大統領は17日、みずから首都ミンスクにある工場を訪れて演説し、「働きたくない者は好きにすればいい」などと抗議行動の参加者を批判しましたが、そのさなかにも群衆の中から「出て行け」という声が公然と上がり、大統領への風当たりが一層強まっていることが印象づけられる形になりました。

EU 緊急首脳会議で対応協議へ
EU 緊急首脳会議で対応協議へ

ベラルーシで緊張が高まっていることを受けて、EU=ヨーロッパ連合は17日、今週19日に緊急の首脳会議を開き、対応を協議することを決めました。

EU各国はベラルーシ当局が抗議活動の参加者に暴力を加え不当に拘束しているほか、選挙結果そのものについても有権者の意思を反映していないなどと非難していて、先週開いた緊急の外相会議でベラルーシ当局の責任者に対する具体的な制裁を検討することで合意していました。

ヨーロッパ各国が批判強める
ヨーロッパ各国が批判強める

ベラルーシで続く抗議デモへの政府の対応をめぐっては、ヨーロッパの各国が批判を強めています。

このうちイギリスのラーブ外相は17日、声明を出し、「不正な大統領選挙に対する平和的な抗議デモに当局が暴力を加えたことを、世界は恐怖とともに見ている。イギリスはこの結果を受け入れることはできない」と非難しました。
そのうえで「選挙の不正と弾圧について、緊急で独立した調査が必要だ」と訴えています。

また、ドイツのシュタインマイヤー大統領も17日、政治の変革を求めるベラルーシ市民との連帯の意思を示したうえで、「ルカシェンコ大統領は暴力ではなく対話の道を模索するべきだ。軍は国民に暴力をふるうような罪を犯してはならない」と訴えました。

さらにフランスのマクロン大統領も16日、「EU=ヨーロッパ連合は、権利と自由の尊重を求めて平和的なデモを行うベラルーシの数十万の人々とともにあるべきだ」とツイートし、抗議デモを続ける市民への支持を呼びかけました。