北朝鮮 キム委員長 病院建設現場で叱責 幹部を全員交代と報道

 北朝鮮の国営メディアは、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長が病院の建設現場を視察し、担当者たちが建設予算を決めないまま国民に支援を求め、負担をかけているとして厳しく叱責したと伝えました。幹部は全員交代させられたということで、国民に寄り添う姿勢を示すねらいがあるものとみられます。

20日付けの朝鮮労働党機関紙、「労働新聞」は、キム・ジョンウン委員長が、ことし3月に着工したピョンヤンの病院の建設現場を視察したと伝えました。

1面には、キム委員長が険しい表情で幹部に向かって話す写真が掲載されました。

キム委員長は、「担当者がいまだに建設予算を決めておらず、いいかげんに進めている。設備や資材の準備で、党の意図に反し、人民にさまざまな支援事業を求めむしろ負担をかけている」と述べ、厳しく叱責したと伝えました。

さらに「このままほうっておけば党のイメージに泥を塗ることになる」と批判したうえで、幹部を全員交代し、しっかりと対策をとるよう指示したとしています。

世界各国で新型コロナウイルスの感染が広がっていることは北朝鮮でも報じられていて、キム委員長が医療態勢の改善に力を入れる姿をアピールすることで国民に寄り添う姿勢を示すねらいがあるものとみられます。