「安全脅かす米の船あれば撃沈」イランがけん制

 イランの精鋭部隊、革命防衛隊の総司令官は「ペルシャ湾においてイランの船の安全を脅かすアメリカの船があれば、撃沈するよう海軍に指示した」と述べ、アメリカをけん制しました。トランプ大統領が「もしわれわれの船や船員を危険にさらすようなことがあれば、撃沈させる」とイランを警告したことに反発したもので、両国の対立が再燃することへの懸念が出ています。

イラン革命防衛隊のサラミ総司令官は23日、国営メディアの取材に対し「ペルシャ湾においてイランの船の安全を脅かすアメリカの船があれば、撃沈するよう海軍に指示した」と述べ、アメリカをけん制しました。

アメリカとイランをめぐっては先週、ペルシャ湾でイランの革命防衛隊の艦艇11隻がアメリカ海軍などの船に異常接近したとアメリカ側が発表し、トランプ大統領は22日、「もしわれわれの船や船員を危険にさらすようなことがあれば、撃沈させる」などと述べ、イランを警告していました。

サラミ総司令官の発言はトランプ大統領の発言に反発したもので、イラン外務省も23日、アメリカの利益代表を務めるイラン駐在のスイス大使を呼んで、アメリカに対する抗議の意思を伝えたということです。

両国の間ではことし1月、アメリカ軍が革命防衛隊の司令官を殺害したのに対して、イラン側がイラクにあるアメリカ軍の拠点を攻撃し、一時、大規模な衝突に発展する懸念が高まっただけに、両国の対立が再燃することへの懸念が出ています。