アメーバのように動き、ほかの微生物を丸ごと飲み込むように食べてしまう細菌を筑波大学の研究グループが発見しました。細菌の仲間はこうした動きはできないと考えられてきたことから、従来の細菌の概念を変える発見だとして注目されています。
細菌は、表面の毛のようなものを使って移動するものがいることは知られていますが、より進化したアメーバのように細胞全体を動かして移動したり、形を大きく変えたりすることは基本的にはできないと考えられていました。
筑波大学の石田健一郎教授の研究グループが、南太平洋の海水の中に生息する微生物を調べていたところ、藻類などの微生物を次々と食べる未知の生物がいることに気付き、分析しました。
その生物は、遺伝子の解析から、新種の細菌であることがわかりましたが、アメーバのように細胞の形を変形させながら動く特徴があることがわかりました。
ほかの微生物を食べる瞬間を電子顕微鏡で調べたところ、細菌の中央部をくぼませて、丸飲みするように取り込む様子も観察されました。
筑波大学の石田健一郎教授は「細菌だとわかった時は驚いた。これまで知られていない方法で細胞の形を大きく変える事ができるとみられ、従来の細菌の概念を変える興味深い発見だ」と話していました。